演題
OP-274-4
完全腹腔鏡下解剖学的肝切除手技の定型化−腹腔鏡特有の視野と体位変換を利用した肝非脱転尾側アプローチ完全腹腔鏡下肝右葉・後区域肝切除術と主肝静脈合併切除を伴う完全腹腔鏡下拡大区域切除術 |
完全腹腔鏡下肝切除90例、胆道癌症例等に肝授動離断を腹腔鏡下・再建を小開腹下で腹腔鏡下手術を施行した。右葉系統切除は右葉切除6例、後区域切除4例、前区域切除2例、亜区域以下系統切除4例で、視野展開・体位変換における腹腔鏡の利点を利用し、肝授動をせず切除肝を固定し、体位変換で重力を利用して残肝を左側に落として肝切離面を展開した上、尾頭側に一方向性に切離をすすめる肝非脱転尾側アプローチ完全腹腔鏡下肝切除術を考案した。後区域・右葉切除では、本法適応前3例全例で手術時間600分、出血量1500ml以上であったが、適応後3例で401,450,506分、1356,500,100mlとなった。また、完全腹腔鏡下で主肝静脈合併切除を伴う拡大区域切除を5例経験した(手術時間352-625分、出血量100-1250ml)が、肝門グリソン確保後、左右および背側の切離を尾頭側方向に進め、最後に肝静脈根部の処理を尾側背側より行うという手順で安全に施行可能であった。