演題

SY-20-5

呼吸器外科低侵襲手術と作業軸

[演者] 佐藤 寿彦:1
[著者] 山田 徹:1, 毛受 暁史:1, 佐藤 雅昭:1, 青山 晃博:1, 陳 豊史:1, 園部 誠:1, 大政 貢:1, 伊達 洋至:1
1:京都大学呼吸器外科

1990年代に胸腔鏡を用いた肺葉切除術が導入されて以来、現在では完全鏡視下での肺切除術の施行が一般的に受け入れられている。本邦ではThoracotomyのサイズ、ポート位置は各施設・術者により多様性に富んでいるが、そのアプローチ方法は大きく対面法と見上げ法に2分される。対面法においては、視軸と作業軸が一致しているため、術者にとっては自然な手術操作感が可能となる。その反面、助手およびスコープ操作者にとっては、対象物とスコープの距離が近く、呼吸・拍動の動きが非常に大きくなるため術者に合わせたスコープの操作は熟練を要する。見上げ法では対象と距離をもってスコープで観察され、縦隔の呼吸・心拍の動きは視軸と直交しているためスコープの操作はより簡単で安定した視野を提供できる。また術者・助手・スコープ操作者すべて同じ画像を共有することができる。しかし、一方で術者は左あるいは右前方へ、体幹・頸椎をひねった状態での作業を長時間強いられることになる。またスコープからの視軸と作業軸は角度をもって交差しており、作業性においては劣ることになる。見上げ法はほぼ患者体軸方向に尾側から頭側へスコープを挿入して操作するが、この作業性の劣化を解消するためスコープ挿入軸(視軸)を患者体軸方向に45度ほどの角度を加え、スコープをまたぐようにポートをセットする方法がある。視軸と作業軸が一致するため作業効率が高く、胸腔内での肺縫合や気管支形成など複雑な操作に向いている。またスコープと胸腔内の対象との距離がとりやすく、安定した視野を提供でき、見上げ法と対面法の両者を融合したアプローチ方法である。ただし術者の両手の間にスコープが入るため、術者の操作の邪魔になりやすく、スコピストは姿勢やスコープ保持に忍耐を強いられることになる。3D視野やendo-rist といわれる自由度の高い鉗子が注目されることの多いダビンチ・ロボット手術である。しかし、上述した諸問題を解決する手段として優れているのがダビンチをもちいたロボット手術と考える。視軸・作業軸はほぼ一致しており、スコピストと術者の干渉もロボット手術では解決されている。術者は自然な体制で手術を行うことができる。胸腔鏡手術におけるアプローチでの諸問題を整理し、またダビンチを用いた動物での気管支形成のビデオもあわせて供覧する。
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