演題

SY-19-1

間歇性跛行の評価と治療選択

[演者] 正木 久男:1
[著者] 田淵 篤:1, 柚木 靖弘:1, 種本 和雄:1
1:川崎医科大学心臓血管外科

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)の間歇性跛行に対して機能的診断法と画像診断を用いて治療方針を決定しているので報告する。対象および方法:2000年2月から2013年12月までに当科で入院加療したASOの間歇性跛行例458例、481肢を対象とした。年齢は40-88歳(平均70歳)、男性394例、女性64例で、治療前には、formPWV/ABI®を用いてトレッドミル歩行負荷(傾斜12%、2.4km/h、3分間)を行い、歩行終了直後から、ABIが前値に回復するまでの時間(RT)を測定した。途中疼痛のため歩行不能になればその時点で終了し測定した。治療法の選択は、2002年2月までは患者の希望、病変部位、症状の重症度から選択しRTが10分未満の場合保存的療法が有用であることが判明し、2002年3月からRTが10分未満には保存的療法を選択し、10分以上は、血管内治療ないし血行再建術を選択した。保存的療法の効果判定は、治療後3-6カ月後とした。 血管内治療の適応は、腸骨動脈病変ではTASC−A, B Cを、大腿膝窩動脈病変ではTASC−A, B を適応とした。血栓内膜摘除術(TEA)は総大腿動脈の狭窄ないし閉塞に用いた。それ以外はバイパスを選択した。結果:治療の内訳は、バイパス244、血管内治療180、TEA41、保存的療法73例、その他1例であった。保存的療法のうちRTが10分未満の32例中27例は症状が改善し良好に経過した。しかしその後平均4.8年の経過観察で15例は良好、2例は治療前の状態に戻り、3例は不明、7例は死亡した。保存的療法が改善しなかった46例は、12例が血行再建に、21例は不変のまま、不明は3例、死亡は10例であった。バイパスないしTEAの術後合併症は、創部感染2例、出血1例、グラフト感染1例、脳血管障害1例、肺炎1例で、病院死亡は1例認めた。5年開存率は A-F91%、F-F81%。F-P(AK)89%、F-P(BK)72%、F-Tはすべて開存、血管内治療の術後合併症は、解離4例、腸骨動脈損傷1例、塞栓症1例で、開存率では、腸骨動脈病変で5年88%、大腿膝窩動脈病変で5年65%であった。バイパスないしTEAの5年生存率は、68%、血管内治療は5年生存率78%であった、結語:1.トレッドミル歩行によるABIの回復時間が10分未満であれば薬物療法と運動療法などの保存的療法で改善を期待できるが、10分以上であれば効果は期待できないため血管内治療やバイパスなどの外科的血行再建に努める。バイパス、TEAや血管内治療も良好な成績であった。
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