演題
OP-259-6
膵頭十二指腸切除後遅発性出血に対する危険因子の検討 |
【目的】膵頭十二指腸切除(PD)術後腹腔内出血の危険因子を同定する。【対象・方法】対象は当科でPD、PPPDを施行した118例。PD後遅発性出血のリスク因子および予測因子について検討した。【結果】118例中10例(8.5%)に遅発性出血の出血を認めた。出血症例の割合は非膵癌症例で多く(P=0.03)、soft pancreas症例で多かった(P=0.03)。再建法ではⅡ再建に比べⅢa再建で多かった(P=0.02)。肥満、拡大郭清、大網充填の有無では差を認めなかった。多変量解析では膵硬度と再建法が独立した危険因子であった。また検査データでは術後3日目ドレーンアミラーゼ値が最も腹腔内出血の予測因子として優れており、5378をcut off値としたときの感度は0.6、特異度は0.848であった。【まとめ】PD後遅発性出血はsoft pancreas症例、Ⅲa再建症例で頻度が高く、術後検査データでは術後3日目ドレーンアミラーゼ値が出血リスクの予測に有用であると考えられた。