演題
OP-244-3
噴門側胃切除術後の大腰筋量とGPSの経時的変化 |
【背景と目的】噴門側胃切除後のサルコペニアに関する報告は少ない.今回,噴門側胃切除後の大腰筋量とGPSの経時的変化について解析した.【対象と方法】2004~2012年に当科で経験した胃噴門部癌7例(噴門側胃切除術ダブルトラクト5例,食道胃吻合2例)を対象とし,CTから3次元画像解析システムを用いて,術前後の両側大腰筋面積(L4)と両側大腰筋体積を計測した.また栄養障害評価として用いているGPSと比較した.【結果】術前,術後半年,1年の体重・大腰筋面積値・体積値変化率は,噴門部胃切除術ダブルトラクトは術後半年:18.7%・8.9%・25.7%(中央値)減少,術後1年:23.6%・15.8%・21%減少を認めた.食道胃吻合は術後半年:21.9%・11.4%・24%減少,術後1年:27.9%・20.9%・30%減少を認めた. GPSと比較すると1例のみ,術前は正常群,術後半年,1年では癌悪液質群を示し,予後不良であった.【考察】術前後の大腰筋量変化は栄養評価や予後指標となる可能性がある.