演題

SY-17-3

複雑病変を有する非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)におけるCABGの役割 ~CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2~

[演者] 丸井 晃:1
[著者] 木村 剛:2, 西脇 登:1, 光藤 和明:3, 小宮 達彦:4, 羽生 道弥:5, 坂田 隆造:6
1:近畿大学奈良病院心臓血管外科, 2:京都大学循環器内科, 3:倉敷中央病院循環器内科, 4:倉敷中央病院心臓血管外科, 5:小倉記念病院心臓血管外科, 6:京都大学心臓血管外科

【緒言】複雑病変を有する安定狭心症患者におけるCABGの長期優位性は国内外共にガイドラインとして確立されている。一方、緊急血行再建を必要とする急性冠症候群(ACS)についてはPCIが第一選択になるものの、不安定狭心症(UA)および非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)、いわゆるNSTE-ACSについてはPCI施行困難な複雑病変を有する場合は、血行動態が許容できればCABGは重要なオプションと考えられる。【対象と方法】本邦最大の初回冠血行再建RegistryであるCREDO-Kyoto Cohort-2に2005~2007年に登録された15,939名のうち3枝または左主幹部病変(LMCAD)を有するNSTE-ACS患者673名(UA/NSTEMI=399/274名)を対象とし、その5年成績を検証した。PCI 435名(65%)、CABG 238名であった。【結果】<全体解析> 両群間で年齢差はなく(p=0.58)、LMCADはCABG群で多く(20% vs. 49%, p<0.01)、治療病変数もCABG群で多かった(2.0±1.0 vs. 3.1±1.0箇所, p<0.01)。術前状態としてKillip class 3-4(肺水腫・心原性ショック、14% vs. 11%, p=0.19)、意識障害(5.8% vs. 3.4%, p=0.17)、挿管(6.4% vs. 5.4%、p=0.61)、PCPS挿入(2.4% vs. 1.3%, p=0.35)は差がなかったが、致死性不整脈はPCI群で高かった(8.1% vs. 3.4%, p=0.02)。在院死亡率は差がなかった(5.8% vs. 7.6%, p=0.08)。Kaplan-Meier法による非補正5年死亡率は両群間で有意差がなかった(32% vs. 30%, p=0.90)。しかし多変量解析による総死亡率およびMACCE(死亡/脳卒中/心筋梗塞)の発生率はPCI群で有意に高かった(hazard ratio [95%CI]: 1.76 [1.25-2.48], p<0.01および1.69 [1.28-2.25], p<0.01)。さらに3枝病変(n=465, PCI/CABG=344/121)およびLMCAD (n=208, PCI/CABG=91/117)についてサブ解析を行った。<3枝病変> 在院死亡は差がなかった(3.8% vs. 2.5%, p=0.50)。5年補正死亡率およびMACCE発症ともにPCI群で高かった(1.71 [1.09-2.68], p=0.02および1.61 [1.10-2.34], p=0.01)。<LMCAD> 在院死亡は差がなかった(14% vs. 9.4%, p=0.34)。5年補正死亡率はPCIで高い傾向があり(1.56 [0.92-2.67], p=0.10)、MACCE発症率はPCI群で高かった(1.82 [1.16-2.87], p<0.01)。【結語】複雑病変を有するNSTE-ACS患者に対するCABGの長期生命予後改善およびイベント回避効果は、3枝病変・LMCAD患者ともにPCIに比して優れており、血行動態が安定して耐術能が見込める患者には積極的にCABGを行うべきと考えられた。
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