演題
OP-226-6
Invasive micropapillary carcinoma (混合型)におけるCD44s, CD44v6, v9の発現−micropapillary pattern領域と通常型乳癌領域の比較− |
IMPCは浸潤性乳管癌の特殊型で脈管浸潤やリンパ節転移が多い。ほとんどが通常型乳癌とmicropapillary pattern(MP)の混合型である。IMPCは癌幹細胞の主要表面マーカーであるCD44陽性細胞が多い。一方CD44遺伝子のvariantであるCD44v6やv9の発現は、癌細胞の遊走、浸潤、接着能に関係し、予後不良因子とも考えられる。2005年6月~2014年7月に治療を開始したIMPC21例の通常型乳癌とMP領域におけるCD44s、v6、v9の発現を免疫組織学的に検討した。0−5の6段階スコアに分類した。CD44sは61%、v6は100%、v9は95%の乳癌細胞膜に発現(6%以上陽性)した。通常型乳癌領域とMP領域のスコア平均値はCD44s;1.4 vs 0.7、v6; 4.3vs3.0、v9; 3.0 v.s.1.7であり、いずれも有意(T test p<0.005)にMP領域で減弱した。リンパ節転移陽性例では有意(Welch t検定p=0.00013)にMP領域におけるv6の減弱をみとめ、M接着能の低下や浸潤転移能増大の可能性が示唆された。