演題
OP-223-4
残胃癌発生にHelicobacter pyloriは本当に関与しているのか |
【はじめに】残胃癌においてもHPが関係しているとしてHP除菌が勧められている.しかし胃内環境に変化が生じる幽門側胃切除後の残胃癌にHPが大きく関与しているかを検討した.【対象と方法】1986年より2010年に当院にて手術を施行した残胃癌52症例が対象.初回手術時の良悪性,再建法,残胃癌手術までの期間,残胃癌手術標本のHPの有無など臨床病理学的項目を検討.【結果】男40例女12例.平均年齢は69.4才.初回手術良性16例悪性24例不明19例.初回胃切除後からは平均16.7年.初回手術時再建法はBillroth-Ⅰが20例それ以外は32例.残胃癌組織型は分化型腺癌31例,低分化腺癌21例.外科的残胃切除35例,内視鏡的粘膜下層剥離術17例.HP陽性は6例(11%).中等度以上の萎縮性胃炎42例(80%),腸上皮化成30例(58%)過形成40例(77%).【結論】残胃癌におけるHelicobacter pylori感染率は低く,残胃癌発生には十二指腸液逆流,慢性胃炎変化が関与している.