演題

SY-15-1

便失禁に対する仙骨神経刺激療法

[演者] 吉岡 和彦:1
[著者] 中谷 和義:1, 松浦 節:1, 徳原 克治:1, 畑 嘉高:1, 權 雅憲:2
1:関西医科大学滝井病院外科, 2:関西医科大学枚方病院外科

【背景】便失禁は患者にとっては肉体的、精神的あるいは社会的に大きな負担を強いる疾患である。保存的治療が奏功しない場合には括約筋修復術や有茎薄筋移植などの外科的治療が行われてきたが、近年欧米では仙骨神経刺激療法が行われ良好な治療成績が報告されている。本邦でも便失禁に対するこの療法が2014年4月から保険適用となった。【目的】便失禁に対する仙骨神経刺激療法をビデオで供覧し、治療成績について述べる。【手術手技】手術は2期的に行われ、1期目の手術後に試験刺激を行いその効果を確認してから2期目の手術を行う。第1期、リードの植え込み:全身麻酔下に患者をジャックナイフ体位とする。刺激の反応を観察するため筋弛緩剤の投与は制限する。Cアームを使用して仙骨孔の位置を確認する。仙骨部の皮膚を通して裂孔針を刺入し、S3の部位に体外から電気刺激を与える。反応として拇趾の屈曲や骨盤底のbellowsを確認する。穿刺針で刺激が最も伝わる部位を確認しスタイレットを残して穿刺針を抜去する。次にこのスタイレットを介して透視で確認しながら4極刺激電極リード(Medtronic Model 3889)を留置する。リードは経皮エクステンション(Medtronic Model 3550-05)を介して体外式刺激装置に接続する。2週間後に効果があると判断した場合に第2期の手術を行う。第2期、刺激装置の埋め込み: 全身麻酔あるいは局所麻酔下に患者を腹臥位とする。延長のために用いていたエクステンションリードは抜去し、仙骨神経の刺激に使用していたタイン付き4極刺激電極リードに埋め込み型刺激装置(Medtronic Model 3058 InterStim Ⅱ Neurostimulator)を接続する。この装置を埋め込むため臀部の脂肪織の多い部位に皮切を加える。皮下に十分なスペースを空けるため鈍的に組織を圧排する。器械の表裏を確認した後、皮下に埋め込み創部を閉鎖する。術後に医師用プログラマーを用いて刺激条件を設定する。【治療成績】当施設で7例の便失禁患者に仙骨神経刺激を行った。便失禁の原因は直腸癌に対するISR術後3例、出産時の外傷2例、直腸脱術後1例、特発性1例であった。試験刺激で1例は反応がなくリードを抜去した。6例に永久刺激装置を埋め込みそのうち5例が術前の便失禁回数より減少していた。重篤な有害事象はなかった。【結語】便失禁に対する仙骨神経刺激療法は安全で治療法の一つの選択肢になり得ると思われた。
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