演題

SY-14-10

当科における腹腔鏡下肝切除術の手術手技と開腹手術へのフィードバック

[演者] 新田 浩幸:1
[著者] 高原 武志:1, 長谷川 康:1, 藤田 倫寛:1, 板橋 英教:1, 菅野 将史:1, 片桐 弘勝:1, 武田 大樹:1, 石橋 正久:1, 眞壁 健二:1, 岩谷 岳:1, 大塚 幸喜:1, 肥田 圭介:1, 佐々木 章:1, 若林 剛:1
1:岩手医科大学外科

【はじめに】 当科では2014年9月までに448例の腹腔鏡(補助)下肝切除を経験し、多くの術式が完全腹腔鏡下に可能となってきた。動作制限があるなかで安全かつ手術しやすい手技を目指してきたこともあり、開腹手術においてもほぼ同様の手技で行っている。当科では若い肝臓外科医への手術指導は腹腔鏡下肝切除でモニターを見て行うことも多くなっているが、良好な視野と拡大視効果から教育面では開腹手術よりも優れていると感じている。本会では我々の行っている腹腔鏡下肝切除の手術手技を供覧し、開腹手術へのフィードバックについて述べたい。【腹腔鏡下肝切除の手技】(肝の授動) 肝の授動は正中より外側への意識をもって行い、肝静脈の損傷を回避する。 (肝門部操作) 葉切除の場合は、基本的にグリソン一括ではなく動門脈の個別処理で行う。胆管・肝門板は肝実質切離をすすめた後に首を長くした状態で自動縫合器により切離する。(肝実質切離) Pringle法を用いて出血を制御し、Clamp-Crush法またはCUSAで行う。葉切除では早い段階で肝門部の肝実質切離を1cm程頭側にすすめ、中肝静脈を確認・露出し、肝表層のdemarcation lineと肝深部の中肝静脈の2点を意識しながらの肝切離を行う。(肝静脈切離)自動縫合器で行うがミスファイヤの危険性は常に念頭に置かなければならない。肝静脈の中枢側を鉗子で把持しながら自動縫合器で切離する。【開腹手術へのフィードバック】腹腔鏡での視野により解剖の理解が深まり、開腹手術では認識していなかった膜の存在・構造を意識しながら肝門部操作や肝実質離断を行うようになった。カントリー線の肝実質離断では中肝静脈に対し肝表面側から攻めるのではなく、中肝静脈側から肝表層に向かう意識に変わった。【腹腔鏡と開腹の相違点】動作制限による危険性を考慮し、葉切除ではグリソン鞘一括処理ではなく個別処理で行っている。完全腹腔鏡下ではhanging techniqueの有用性は低く、多くの症例で行っていない。
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