演題
OP-219-2
胃癌におけるマイクロサテライト不安定性(MSI)とEGFR発現の生物学的意義に関する研究 |
【はじめに】EGFR高発現は胃癌における予後不良因子とされているが、MSIとの関連はまだ明らかになっていない。【目的】胃癌におけるMSIとEGFR発現の関連性を明らかにする。【対象・方法】原発性胃癌284例。マイクロサテライト領域5か所の反復回数を癌部、非癌部で比較した。免疫組織学的染色法にてEGFR発現を評価し、臨床病理学的因子、予後との相関を検討した。【結果】MSIは全284例中26例(9.15%)で認め、EGFRはMSI/MSS:63.2%/38.0%(p=0.0331)とMSI群で有意に高発現していた。胃癌全体ではEGFR高発現群は有意に予後不良であった(p=0.0245)が、MSI群のみで予後を比較すると、EGFR高発現群の方が逆に予後が良い傾向が認められた。【結語】胃癌におけるEGFRは予後不良因子だが、MSI胃癌では予後良好因子となる可能性がある。