演題
OP-211-2
完全直腸脱に対する腹腔鏡下直腸後方固定術 −術式と骨盤臓器機能からみた検討− |
【目的】我々は完全直腸脱において骨盤機能障害を考慮し、腹腔鏡下直腸後方固定術を行っている。術式と成績について報告する。【方法】直腸後方固定術を30例(開腹4例、腹腔鏡26例)施行した。女25例/男5例、平均77歳、全例Tuttle分類II度で、QOLの低下、排尿異常あり。手術は、直腸後壁は肛門挙筋直上まで剥離、側方靭帯は切離し、前方の剥離は最小限に行う。メッシュを仙骨前面に固定し、直腸を挙上しメッシュで被覆し直腸壁に固定する。(ビデオ供覧)【成績】開腹と腹腔鏡の比較では、手術時間:開腹84分、腹腔鏡127分、出血量:開腹77g、腹腔鏡少量、術後在院日数:開腹11日、腹腔鏡4.7日であった。便失禁、直腸脱出は全例で改善を認め、排尿異常も改善した。再発症例は認めていない。【結論】腹腔鏡下直腸後方固定術は、術後の早期離床が可能となり、入院期間が有意に短縮出来た。本術式は直腸脱のみならず、並存するPOPに対しても有用な治療と考えられる。