演題
OP-202-7
大腸癌細胞由来の末梢血液中miR-203はマクロファージをM2分化させて転移再発を促進する |
背景:転移再発の機序解明は癌の予後改善に重要である。microRNA (miR)はgeneの発現などを調節することが知られ、大腸癌における転移・再発の制御する役割を担うことが想定される。対象と方法:担癌患者から骨髄を採取し、MACS/FACSで各分画に分離し、RNA/DNAを抽出し、miRアレイ、遺伝子発現アレイを施行した。また癌細胞株とマクロファージ細胞株の共培養を行った。結果:CD14(+)細胞分画とEpCAM(+)CD45(-)細胞分画の遺伝子発現に有意差のある遺伝子群を同定し、GSEAで転移群の両分画において有意差のあるgene setを同定。microRNAアレイでEpCAM(+)CD45(-)細胞分画のmiRに有意な上昇を認めた。細胞株の共培養で、M2へ分化した。考察:癌細胞と宿主細胞でシグナル交換によりmiRの発現が変化することにより、宿主細胞が変化し、転移に寄与すると考えられる。癌細胞と宿主細胞とのmiR-遺伝子を解明することがbiomakerや治療標的の同定のために重要と考えられる。