演題
OP-196-3
胃癌治療における術中腹腔内化学療法の意義 |
【背景】術中に腹膜転移を生じる機序と術中腹腔内化学療法の必要性を検討。【対象と方法】①R0胃癌手術前後の腹腔内洗浄液(PW)(n=102)の細胞診、遺伝子増幅、細胞培養により腹腔内癌細胞を検討。胃切除110例の残胃内洗浄細胞診により消化管再建術時の癌細胞散布を検討。②進行胃癌R0手術時の術中腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の施行例(n=50)の腹膜再発率を検討。【結果】①切除前PWは癌陰性、切除後PWにviableでKi67陽性の癌細胞が42.1%の症例で検出、腹膜腫瘤形成能も確認。癌細胞陽性例は有意に腹膜再発率が高率。残胃内癌細胞検出率は22.7%、検出癌細胞は集塊を形成し分裂能を保持。②進行胃癌R0手術+HIPEC施行50例(pSS(12例)pSE(35例)pSI(3例))の5生率は92.4%、腹膜再発は2例(4.0%)にのみ認めた。【結語】胃癌手術中にviableで増殖能があり腫瘤形成能のある癌細胞が腹腔内へ散布され、腹膜再発と相関。術中HIPECにより腹膜再発を防止できる可能性がある。