演題

SY-10-6

小規模独立型救命センターの特性を活かした外傷手術スタイルとトレーニング −手術室直入プロトコールと手術シミュレーション−

[演者] 石原 諭:1
[著者] 黒川 剛史:1, 岡田 剛:1, 濱上 智宏:1, 中山 晴輝:1, 松山 重成:1, 川瀬 鉄典:1, 中山 伸一:1, 市場 晋吾:2
1:兵庫県災害医療センター, 2:岡山大学救急医学

外傷診療の質は手術だけで決定されるものではなく、病院前から決定的治療、その後の集中治療に至るまでの患者管理を一貫した治療方針の下にチームとして迅速に完遂できる能力に依存する。当センターは重症救急に特化した独立型救命センターで、年間搬入約900件の40%以上が外傷、ISS16以上の重症は200例を超える。ベッド数30床の小規模医療機関である機動力を活かし、重症外傷救命のための独自の診療体制を構築している。その一つが患者を手術室に直接搬入し、そのまま開胸開腹に至る手術室直入プロトコールである。対象は外科的止血を要する外傷ショック症例で、救急隊又はドクターカーからの情報で患者の病院到着前から準備開始。JATECのPrimary Surveyと蘇生を手術台の上で行う。これにより決定的治療までの時間短縮のみならず、救急外来よりも器材設備の整った手術室で止血術を比較的ストレスなく行える環境が手術チームに付与されている。2014年9月まで15例に適応。死亡4例。(うち院外心肺停止2例)院着から執刀までの平均時間は約16分であるが、更に迅速安全な手技の遂行を目指して医師・看護師・放射線技師等の全職員参加によるシミュレーションを年3回程度行っている。一方、年間外傷手術は約60件と充分ではない。Acute Care Surgeryの導入を目指して内因性約90件/年の手術も実施しているが、外傷手術の内容は多様で且つ特殊な術式も多く、On-the-job trainingのみでは修練困難である。又、外傷外科専門医が初療チームに不在の場合もある。そこで外科初学者又は外科研修未経験の修練医を対象とし、外傷蘇生手技の標準化と手術チームへの繋ぎを目的に動物を用いたOff-the-job trainingとしてFundamental and Immediate Resuscitating Surgery for Trauma; FIRSTと銘打った実技セミナーを立ち上げた。午前中は講義。午後の実習では2名ずつの2チームがブタ1頭を使用し、各チームに1名のインストラクターが指導する。7回実績を積み今後も定期開催の予定である。これらシミュレーションの一部と実臨床例をビデオにて紹介する。
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