演題
OP-169-1
肝細胞癌における腫瘍マーカー発現は無再発予後因子となる |
【背景】肝細胞癌術後においてCEA高値(5.0ng/ml≤)が無再発予後因子となり、EMTに関係するという知見を得たので報告する。【対象・方法】肝細胞癌初回根治切除症例(n=204、2005~2012年)を対象とし、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9:cut lineは基準値)発現の意義を検討した。臨床病理学因子とともに免疫組織染色によりEMT関連因子(E-cadherin、Vimentin)との相関を解析した。【結果】単変量解析で無再発生存因子として脈管侵襲、腫瘍個数、分化度、Stage、AFP、PIVKA-Ⅱ、CA19-9、CEA(5無生率: <5 46.3% vs ≥5 6.1% p=0.0001)が、多変量解析ではCEA(HR2.56, 95%CI1.50-11.0, p=0.0117)、腫瘍個数(p=0.0026)が独立無再発予後規定因子として同定された。更に免疫染色にてVimentin高発現群で有意にCEAが高値(p≺0.05)であり、E-cadherin高発現群で低値(p≺0.01) であった。【結論】肝細胞癌症例において、腫瘍マーカー発現は肝切除後の再発予後予測因子となり得る。