演題
OP-157-5
膵頭十二指腸切除術におけるFast-track surgery導入の取り組み |
【目的】2010年より当科では、膵頭十二指腸切除(PD)にクリニカルパスにFast-track surgeryの概念を導入した。導入が周術期管理に与えた効果を検証する。【対象・方法】PDパス改訂は禁食期間の縮小、術前処置の簡略化、ドレーン留置数・期間の減少、栄養療法の充実、極早期のリハビリテーションを重視した。PD施行292例を対象とし、改訂前(A群)105例と改訂後(B群)181例に区分し、栄養指標の変化、バリアンス発生頻度と術後在院日数などを比較解析した。【結果】バリアンス項目の発生、Grade分布も有意差はなかった。経口摂取開始までの中央値は短縮を示し、術後在院日数は同等であった。術後体重減少も抑制された。栄養指標の変動は有意差はなかったがドレーン留置期間は短縮した。パス逸脱率は同等であった。【結論】Fast-track surgery概念導入により禁食期間・ドレーン留置期間が短縮し、バリアンス発生や術後在院日数にも影響なく運用し得た。