演題

SY-7-7

局所進行広範囲胆管癌に対する肝左三区域尾状葉切除兼膵頭十二指腸切除・肝動脈門脈合併切除再建

[演者] 水野 隆史:1
[著者] 江畑 智希:1, 横山 幸浩:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 山口 淳平:1, 國料 俊男:1, 角田 伸行:1, 深谷 昌秀:1, 上原 圭介:1, 梛野 正人:1
1:名古屋大学腫瘍外科

【序言】肝動脈・門脈浸潤を伴う肝門部胆管癌に対し, 当科では肝動脈門脈合併切除を導入し, 2%の在院死亡率と30%の5年全生存率を報告した(Nagino, Ann Surg 2010). また広範囲に進展浸潤する胆管癌に対し, 肝葉尾状葉切除兼膵頭十二指腸切除(Major-HPD)を適応し, 1990年以降の症例において2.4%の在院死亡率と37.4%の5年全生存率を報告した(Ebata, Ann Surg 2012). 近年, これら拡大術式の安全性は向上しており、限定された症例においてはさらなる拡大術式として, 肝動脈・門脈合併切除を伴う肝膵十二指腸切除を適応している. 血管浸潤を伴う局所進行広範囲肝門部胆管癌に対し, 肝左三区域尾状葉切除兼膵頭十二指腸切除, 右肝動脈門脈合併切除再建を施行した症例を供覧する.【手術】上腹部正中切開+右横切開で開腹. Rouvier溝を切開し, 右肝動脈後区域枝をtaping. 胃十二指腸動脈および固有肝動脈は腫瘍の浸潤を受けており, 中枢側は総肝動脈でtapingした. 末梢側で胃十二指腸動脈を結紮し膵頭十二指腸切除を施行. 膵を切離後, 脾静脈合流部の頭側で門脈をtaping. 肝左葉尾状葉を授動し肝を離断した.中・左肝静脈をtaping後, 右後区域-尾状葉間を肝離断し, 胆管・肝動脈・門脈のみでつながる状態とした後, 肝側胆管を切離すると右前区門脈のtapingが可能となり, 同門脈を結紮切離後, 右後区域門脈でのtapingが可能となる. 合併切除する肝動脈の中枢と末梢をそれぞれclamp, 切離後に肝静脈を切離. 門脈に血管遮断鉗子をかけ切離し標本を摘出. 門脈は右外腸骨静脈グラフトを間置して再建. 肝動脈は左胃動脈をrotateし, 形成外科医により顕微鏡下に吻合. 胆膵消化管再建はChild変法で再建した. 手術時間16時間52分, 出血量3750ml. ISGPF grade Bの膵液瘻, ISGLS grade Bの胆汁瘻, ISGLS grade Bの肝不全, 右下肢の血栓性静脈炎を合併したが保存的に軽快, 術後第37病日退院し, 現在紹介医にて補助化学療法施行中である. 【結語】肝動脈門脈合併切除および肝葉切除兼膵頭十二指腸切除各々の術後短期・長期成績はacceptableである. 前向き試験による切除不能胆道癌に対する化学療法の有効性が示されているが, 現在においても外科切除のみが根治を望みうる唯一の治療であり, 安全に施行可能な範囲において, 拡大術式に挑戦することは胆道外科の進むべき方向である.
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