演題

SY-7-1

肝門部胆管癌の限界的な手術手技と治療成績

[演者] 江崎 稔:1
[著者] 島田 和明:1, 須藤 広誠:1, 岸 庸二:1, 奈良 聡:1, 小菅 智男:1
1:国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科

[背景/目的]肝門部胆管癌手術の限界は、癌の垂直進展に対する門脈や肝動脈などの血管合併切除・再建と広範囲水平進展に対する肝膵同時切除術、肝側断端にの追加切除に関連する。安全性は高まっているが、依然、難易度の高い手技である。また安全性のみならず、切除適応には議論があり、限界は不明瞭である。限界に関連する症例のビデオで手術手技の工夫を供覧し、治療成績を明らかにする。 [対象/方法]2000年1月から2013年12月までに当院で切除された肝門部領域胆管癌のうち、血管合併切除再建、肝膵同時切除、肝側胆管断端追加切除の工夫をビデオで供覧し、治療成績を検討した。[結果]切除された肝門部胆管癌258例の術式の内訳は左葉110例、左三区域31例、右葉110例、右三区域5例、中央二区域2例であった。門脈合併切除再建が54例(楔状27例、環状27例)に行われ、肝動脈合併切除再建が24例(門脈合併切除・再建との併施が11例。再建は端々吻合13例、右胃大網動脈との吻合10例、胃十二指腸動脈との吻合1例)であった。肝動脈合併切除再建を行った24例のClavien-Dindo分類Grade III以上の合併症/手術関連死亡はそれぞれ7例(29%)/0例と、行わなかったものと比べ、合併症が多い傾向であったが、有意差はなかった。3/5年生存率は19.3/19.3%(生存中央19.3か月)と動脈切除を行わないものと比べ有意に予後不良であった。一般的な予後不良因子であるR1切除、リンパ節転移、高度神経侵襲を認めるものは3年以上の生存がほとんどなく、特に予後不良である。膵頭十二指腸切除術の併施は16例でGrade III以上の合併症/手術関連死亡が5例(31%)/1例(6.3% POPF)と非常に高かった。二重巾着陥入法による膵腸吻合は簡便で膵と空腸を密着させやすい。膵切除併施例の3/5年生存率は48.2/38.6%(生存中央21.2か月)で、行っていないものと有意差がなかった。肝側胆管断端の術中迅速診断が陽性であったものは102例(40%)で、追加切除を68例に施行、うち42例(61例)で最終胆管断端の診断が陰性となった。追加切除例の合併症は非追加切除例と有意差はなかった。[結語]肝動脈合併切除を含む血管合併切除術は特に右胃大網動脈の利用で安全に施行できる。肝動脈合併切除再建の場合、予後不良因子を伴った場合に手術療法の効果が低い。肝膵同時切除は合併症率が非常に高く、特に正常膵の再建が課題である。肝側胆管の追加切除は工夫が必要であるが安全に行え、半数以上で陰性化できた。
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