演題
OP-132-3
胃癌腹膜播種に対するSOCS-1遺伝子治療の有効性と細胞周期の制御に与える影響の検討 |
【目的】胃癌においてSOCS-1発現が細胞周期に与える影響を明らかにすることを目的とした。さらに胃癌腹膜播種に対する治療の有効性について検討した。【方法】胃癌細胞株6種に対してSOCS-1を強制発現させ、細胞増殖抑制効果を評価した。さらに細胞周期の制御に関する影響について検討した。また、MKN45-Lucを用いて腹膜播種モデルを作成し、アデノウイルスベクターによる遺伝子治療を行い、In Vivo Imaging System(IVIS)を用いて経時的に腹腔内病変の評価を行った。【結果】胃癌細胞株6種類中、3細胞株においてSOCS-1発現による増殖抑制効果を認めた。細胞周期ではG2/M期の相対的な増加を認め、Chk2のリン酸化を認めた。腹膜播種モデルに対するSOCS-1遺伝子治療では癌抑制効果を認め(p=0.034)、さらに生存期間の延長効果を認めた。【結論】SOCS-1はATR-Chk2経路を介して細胞周期を停止した。また、胃癌腹膜播種に対するSOCS-1遺伝子治療は有効性を認めた。