演題

SY-5-7

神戸分類に基づいた糖尿病性足潰瘍の病態別治療(特に重症虚血肢における創傷治療について)

[演者] 寺師 浩人:1
1:神戸大学形成外科

本邦の糖尿病は末梢動脈性疾患(以下PAD)を伴うことが多い。ところが重症虚血肢(以下CLI)でありながら外用剤で経過観察し,壊疽を安易にデブリードマンや切断し予後悪化を招く事例が後を絶たない。そこで,演者は日本人(アジア人)用に,わかりやすく評価し治療の本筋を間違えないように,糖尿病性足潰瘍の神戸分類を提唱した。
1.糖尿病性足潰瘍の病態別分類(神戸分類)
糖尿病性足潰瘍の病態は本来神経原性潰瘍であり, CLIとは病態が異なるが、両者が合併しやすく同症の病態把握が困難なところがある。同症の病因(原因)は3つで、何が主体であるか病態を4つに分類し,それに基づき治療を行う。
1)病因
 ・末梢神経障害
 ・末梢血管障害(PAD)
 ・感染症 
2)病態
 Type Ⅰ:末梢神経障害を主体とする創傷
 Type Ⅱ:PADを主体とする創傷
 Type Ⅲ:急性軟部組織感染症や骨髄炎を主体とする創傷
 Type Ⅳ:3つの病因が混在した創傷
本シンポジウムではType ⅡとType Ⅳを述べる。平たく言えばType Ⅱは感染を伴わず,Type Ⅳは感染を伴う。
Type Ⅱ :足部の6つのangiosomeを理解する。創傷ケアでは,疼痛を軽減することが重要である。また末梢血行再建術前後で創傷の病態が変化する。特に、滲出液が血行再建術後に増加する。
Type Ⅳ :3つの病因が混在する病態である。末梢血行再建術後に感染症が併発・悪化する傾向にある。感染で趾動脈や足底動脈弓の閉塞を招き,軟部組織感染症を伴うCLIが完成する。CLIのため,発赤,腫脹,熱感がわかりにくいcritical colonizationを形成し治療に難渋する。末梢血行再建術とデブリードマンを早く施行すべきだが、どちらを優先するかを症例により選択する。創傷と血流を診る医師間の連携が重要で、チーム医療の根幹が問われる。
2.血行を維持する切断方法
Limb salvageではなく、Gait salvageを目指す。歩行機能維持のため,できる限りの中足骨温存が重要である(90%以上の歩行維持率)。そこで,血行を損なわない足趾切断方法(medial-lateral flaps切開法)と改良型横断的中足骨切断術(modified transmetatarsal amputaion、以下m-TMA)を紹介する。治癒後は、変形した足に合うフットウェアが必需品である。適したフットウェアは、米国のガイドラインでは治療・予防とも推奨度は高い。
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