演題
OP-128-6
食道癌手術におけるエノキサパリンの安全性及び投与下におけるVTEリスク因子の検討 |
【背景】食道癌手術は静脈血栓塞栓症(VTE)の高リスクグループであるが、抗凝固療法による大出血合併症の危険因子を含んでおり、これらリスクとVTE予防のバランスを鑑みた適切な治療が必要である。【方法と結果】①2010年11月から2014年5月までの食道癌手術症例150例を対象とし、VTE予防としてエノキサパリン20mg, im, bidを行った。13例に深部静脈血栓症を、3例に肺動脈血栓塞栓症を認めた。2例に創部の小出血を認めたが、大出血は経験しなかった。②エノキサパリン投与下でのVTEリスク因子として、年齢、性別、BMI、術前化学療法の有無、術前アルブミン値、呼吸器疾患の有無、吻合部狭窄、縫合不全、手術時間、出血量の各項目を単変量解析を用い検討したところ、女性であることのみ有意(p=0.03)であった。また、肥満、術前化学療法施行、呼吸器疾患の並存もリスク因子であることが示唆された。