演題
OP-124-5
腹臥位胸腔鏡下食道切除術における反回神経リンパ節廓清の定型化 |
[背景] 2009年1月より腹臥位胸腔鏡下食道切除術を導入、2014年8月まで117例施行した。開胸移行例がなかったため2014年1月より両肺換気で行っている。[方法]完全腹臥位で後腋窩線を中心に第3,5,7,9肋間に12mmポートを挿入して6-8mmHgの気胸併用完全胸腔鏡下で胸部操作を行った。当科の特徴は反回神経リンパ節の廓清では頚胸境界部にクリッピングして頸部廓清との連続性を確保、左上縦隔の廓清は食道を先行離断して広い術野で行うことである。 [結果] 胸部平均手術時間は230分、出血量は32g、反回神経周囲廓清リンパ節は106recR6.1個、106recL4.8個で、合併症はGrade2以下の反回神経麻痺を37.5%認め、肺炎を18.8%伴い保存的に軽快した。[考察]食道癌手術は一般に分離肺換気下で行われ腹臥位では左上縦隔廓清の難易度が高かった。腹臥位人工気胸下では両肺換気でも縦隔の展開は良好であり当科の食道先行離断による良好な術野での左上縦隔廓清が更に向上した。