演題
OP-124-4
prone esophagectomyにおける縦隔郭清手技の定形化と継承 |
当科では2010年より腹臥位食道癌手術を導入し140症例を経験した。胸部食道癌手術は本邦で年間5000例台と限られており、当院は年間約40症例を腹部臓器での内視鏡外科技術認定医二人で執刀している。縦隔郭清を定型化しているが一番困難な部位が左側上縦隔であり、術中動画の検討で手技を改善してきた。現在は気管を転がして腹側の郭清境界を決定した後、食道の離断と牽引を利用してlateral pedicleを意識した郭清手順を定型化している。術者Aの同郭清の定形化の前後の検討では同部郭清時間、出血量の有意な改善を認めた。また術者Bは助手を経て20症例の執刀経験中に有意な手術時間と出血量の改善を認め、縫合不全5%、反回神経麻痺5%、呼吸器合併症0%であった。腹臥位食道癌手術は、内視鏡手術手技を習得していることを前提として、限られた症例数でも術中動画の詳細な反復検討で効率よく定型化・向上・継承が可能である。