演題

OP-099-7

肝虚血再潅流障害に対する漢方製剤茵チン蒿湯の有用性

[演者] 水谷 哲之:1
[著者] 横山 幸浩:1, 國料 俊男:1, 江畑 智希:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 水野 隆史:1, 山口 淳平:1, 梛野 正人:1
1:名古屋大学腫瘍外科

我々は以前にラットの肝虚血再潅流後70%肝切除モデルを用い、術前の茵チン蒿湯投与により術後の血清AST、ALT値、および肝組織中のIL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカイン産生が有意に低下し、glutathionなどの抗酸化ストレス因子の発現が亢進することを確認した。また、葉切除以上の大量肝切除術を対象とし、術前茵チン蒿湯投与群、非投与群に分け、術後肝障害の程度や抗酸化物質の発現レベルを比較検討した臨床試験では、残肝ICGK値が0.08以下となる群において、茵チン蒿湯投与により術後AST、ALT値の有意な低下が見られた。また肝組織の解析では、茵チン蒿湯投与群において肝組織中のNF-E2 related factor 2 (Nrf2)などの抗酸化ストレス因子の有意な発現亢進を認めた。以上より、残肝予備能がより低くなる症例において術前茵チン蒿湯投与は肝障害発生抑制に有効であり、そのメカニズムとして抗酸化ストレス因子の誘導が関与していることが示唆された。
詳細検索
アプリバナー iPhone版,iPad版 Android版