演題
OP-093-1
Natural orifice specimen extraction(NOSE)による大腸癌完全腹腔鏡下手術の腹腔内汚染の臨床的検討 |
【緒言】当院では大腸癌に対して、標本摘出を経腟的(TVSE)・経肛門的(TASE)などのNOSEによる完全腹腔鏡下手術を行っている。NOSEにおける汚染について検討したため報告する。【対象と方法】腹腔鏡下下部消化管手術時にNOSEを施行した計42例と通常腹腔鏡補助下手術(以下LAC)を施行した計130例。TVSE群では、後膣円蓋から標本摘出し吻合後の腹水を培養①、腹腔内を十分に洗浄後の腹水を培養②として提出した。TASE群では、内視鏡的に標本摘出し吻合後の腹水を培養①'、腹腔内を洗浄後の腹水を培養②'として提出した。TVSE群・TASE群・LAC群に関して、ドレーン抜去時のドレーン培養を③③’③”として提出し検討した。【結果】TVSE群・TASE群・LAC群を比較したところ菌量に有意差を認めなかった。【結語】NOSEの腹腔内吻合により腹腔内に細菌群は検出されたが、十分な腹腔内洗浄により菌量は著減し、臨床上問題となるようなSSIの発生頻度はLACと変わらなかった。