演題
OP-061-8
膵頭十二指腸切除術後の胃内容排泄遅延の予後への影響 |
【背景】膵頭十二指腸切除術(PD)後の胃排出能遅延(Delayed Gastric Emptying:DGE)の予後への影響は明らかではない.【目的】PD後DGEの予後への影響について検討する. 【対象と方法】2003年から2010年まで当院附属4病院にて施行したPD症例436例をDGE非発生群(A群n=269)と発生群(B群n=167)に分け,背景因子,周術期因子とともにDGEの予後に及ぼす影響を検討した.【結果】DGEの発生率38.3%で,両群の背景因子で有意差(P<0.05)を認めたのは術中出血量, 膵空腸ドレーン抜去日,平均入院期間,胃切除範囲であった.予後は3年全生存率(OS),5年OS率はA群51.3%,34.9%,B群35.7%,26.1%で有意差を認め, Cox比例ハザードモデルで性別,年齢,原疾患,ステージ,手術時間,術中出血量,DGE(gradeA,B,C),膵液漏を交絡因子として解析した結果,原疾患,病期,DGEが有意な予後不良因子として検出された.【結語】DGE, 特にgrade Cは予後を悪化させる可能性がある.