演題
OP-055-2
膵神経内分泌腫瘍外科治療におけるリンパ節郭清の適応・範囲に関する検討 |
膵NET手術症例のリンパ節転移様式と腫瘍の特性を比較し、文献的な考察を加えて適切なリンパ節郭清範囲について検討した。 当科で初回膵NETに対する膵切除症例は108例でリンパ節転移は14例に認めた。内訳は非機能性NETが11例に対しinsulinomaは1例、また原発腫瘍径は1例が1cmで、他の13例は3cm以上であった。転移リンパ節は、腫瘍近傍リンパ節に多く認め、文献的な結果も同様であった。 2cm以下のinsulinomaではリンパ節郭清は不要であるが、それ以外のNETでは郭清の適応がある。リンパ節転移の多くは腫瘍近傍リンパ節にとどまり、膵切除時に標本と共に摘出されるが、2cmを越える非機能性NETではさらなるリンパ節郭清が必要である。D1郭清は中枢側リンパ節が郭清範囲外なため不十分で、D2郭清はやや過大である。郭清範囲としては、腫瘍近傍リンパに加えて、その中枢側リンパ節(膵頭部は#8, #12, #14、膵体部は#9, #14, #15、膵尾部は#9, #11p)が適当である。