演題
OP-049-6
CT-HU値による乳癌の腋窩リンパ節転移診断 |
目的:術前に実施したCTでCT値(Hounsfield Unit以下HU値)を測定し,後ろ向きに腋窩リンパ節転移診断を実施する.患者と方法:前治療なく当院で切除した浸潤性乳管癌患者283名のうち,当院でCTを施行した131例を対象とした.腋窩リンパ節転移例は49例であった.腋窩リンパ節を同定し,トレースしたROI内の最大HU値と平均HU値を測定した.腋窩リンパ節転移陽性群,陰性群の統計学的有意差を検討し,ROCカーブを作成しカットオフ値を決定した上で,感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率を算出した.結果:単純CTの平均HU値,最大HU値,造影CTの平均HU値,最大HU値でリンパ節転移陽性群・陰性群に有意差があった(p<0.05).ROCカーブを用いて算出したカットオフ値はそれぞれ,16, 54, 60, 103で,正診率は71.8%, 80.2%, 68.7%, 76.3%であった.結論:CT-HU値を用いた腋窩リンパ節診断は簡便に実施が可能で,術前staging, 治療方針の決定に有用である.