【目的】乳癌幹細胞マーカーであるCD44を用いて培養細胞中の幹細胞miRNA発現を検討し、有意なmiRNAについて臨床検体を用いて検討した。【方法】乳癌細胞はMDA-MB-231とBT-549を用いた。MACS separatorを用いてCD44陽性細胞を収集し、84個のmiRNAの発現の変化を検討した。臨床検体はLuminal A type (LA)とTNのmiRNA発現を検討した。【結果】CD44陽性細胞で有意な増加を示したmiRNAは、MDA-MB-231は14個、BT-549では4個で、共通して増加していたのはmiR-19aとmiR-424であった。臨床検体では、miR-19aはTNの方がLAより発現量が多かった。【結論】miR-19aはPTEN、miR-424はHIF1との関係が報告されている。乳癌癌幹細胞においてmiR-19aとmiR-424は自己増殖能の重要なmiRNAであることが示唆された。