演題

P2-27-5

SAP(Sensor Augmented Pump)システムにより厳格な血糖コントロールができた糖原病Ib型合併妊娠の1例

[演者] 渡辺 紗奈:1
[著者] 早坂 直:1, 岡本 綾:1, 早坂 典子:1, 清野 朝史:1, 井出 佳宏:1, 森崎 伸之:1
1:日本海総合病院

【緒言】糖原病Ib型はグルコース代謝関連の先天的な酵素欠損のため肝腫大,低血糖,高脂血症,高尿酸血症,炎症性腸疾患の他,顆粒球減少症などを呈する.一般的に妊娠週数が進むにつれ母体の糖需要は増加するが,糖原病Ib型では低血糖が頻回に起こるため,妊娠中は厳格な血糖管理を要する.今回我々は糖原病Ib型合併妊娠に対しSAPシステムを用い厳格な血糖コントロールをしたことで,母児ともに重篤な合併症なく退院した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例】30歳2妊0産.乳児期に糖原病Ib型と診断され,小児科で薬物治療が行われていた.自然妊娠し,最大の危険因子である低血糖予防のためSAPシステムのもと,食事療法・夜間のブドウ糖含有補液などによる厳格な血糖管理を行った.また,原疾患による顆粒球減少症に対し妊娠10週からG-CSF製剤を連日投与したが,好中球が一時期200/μl以下まで減少したためG-CSF製剤を増量し,妊娠33週に好中球は500/μl以上まで回復した.母児の状態を総合的に判断し,妊娠34週4日に帝王切開を施行した.女児,出生体重は2356gでApgar Scoreは7/9点であった.術後19日目に母児ともに退院した.【考察】SAPシステムとは持続グルコース測定とインスリンポンプを組み合わせたもので,主に1型糖尿病患者に使用される.リアルタイムにグルコース値をモニターできるだけでなく,アラート機能により未然に低血糖・高血糖を防ぐこともできる.低血糖が慣習となり,低血糖症状に乏しい本症例ではSAPシステムの導入により,妊娠中に厳格な血糖管理が達成され,母児ともに良好な経過を辿ることができた.糖原病Ib型合併妊娠にSAPシステムは有用と思われた.
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