演題詳細

シンポジウム / Symposium

シンポジウム2 (Symposium 2) : Progression of thrombosis and hemostasis

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日程
2013年10月11日(金)
時間
09:00 - 11:30
会場
第2会場 / Room No.2 (さっぽろ芸文館 3F 瑞雪)
座長・司会
松下 正 (Tadashi Matsushita):1、江藤 浩之 (Koji Eto):2
1:名古屋大学医学部付属病院 輸血部、2:京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門
 
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PAI-1分子: 新たな役割と臨床応用

演題番号 : SY2-4

宮田 敏男 (Toshio Miyata):1

1:東北大学大学院医学系研究科 分子病態治療学

 

PAI-1は、凝固線溶系のみならず、線維化、腎臓病や多発性硬化症など様々な病態への関与が報告されている。実際に、PAI-1欠損マウスでは、これら病態の発症や進展が抑制される。PAI-1分子の新たな役割とその阻害薬の臨床応用を探索するため、低分子経口薬(chemical probe)を開発した。PAI-1のX線結晶構造解析情報を基にin silicoで幾つかのヒット化合物TM5007を取得した。TM5007をリードとして構造最適化研究を進め、drug-likenessに優れたリード化合物TM5275を創製した。TM5275は、対照薬とした臨床で抗血栓薬とし最も使用されているclopidogrelと同等以上の確実な抗血栓作用を示し(対照薬とは異なり出血時間を延長しない)、薬物動態も大幅に改善され、non-GLPでの一般毒性予備試験/安全性薬理試験/遺伝毒性試験においても問題になるような所見は認められなかった。その後の構造最適化(約400の新規化合物)から医薬品候補化合物(TM5509)を得て、GMP合成/製剤化、GLP下での一般毒性予備試験/安全性薬理試験/遺伝毒性試験、医薬品医療機器総合機構(PMDA)対面相談などを終了し、現在医師主導治験としてヒト臨床試験第I相を実施中で、同じく医師主導治験でのヒト臨床試験第IIa相を予定している。PAI-1阻害薬を用いた非臨床薬理試験から、PAI-1は「再生」と「老化」という重要な生理機能に作用している知見が明らかになりつつある。

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