演題詳細

シンポジウム / Symposium

シンポジウム2 (Symposium 2) : Progression of thrombosis and hemostasis

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日程
2013年10月11日(金)
時間
09:00 - 11:30
会場
第2会場 / Room No.2 (さっぽろ芸文館 3F 瑞雪)
座長・司会
松下 正 (Tadashi Matsushita):1、江藤 浩之 (Koji Eto):2
1:名古屋大学医学部付属病院 輸血部、2:京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門
 
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血友病におけるインヒビター発生機序とその制御手法

演題番号 : SY2-2

窓岩 清治 (Seiji Madoiwa):1

1:自治医科大学分子病態治療研究センター 分子病態研究部、2:自治医科大学附属病院 血液内科

 

 血友病A患者は、第VIII因子の補充を目的とした家庭内自己注射療法の普及により、重篤な出血症状から解放されるようになった。しかしながら、第VIII因子製剤の反復投与により約30%の頻度で抗第VIII因子同種抗体(第VIII因子インヒビター)が発生する。第VIII因子インヒビターを有する血友病A患者は、第VIII因子製剤による止血効果が激減するために致死的出血の危険に晒される。免疫寛容導入療法は、第VIII因子製剤の頻回投与によりインヒビターの消失をはかる特異的かつ根治を目指した治療法である。
 我々は、第VIII因子欠損マウス(血友病Aマウス)新生仔に対して安全で再現性の高い経静脈的投与法を確立し、出生後24時間以内に第VIII因子を投与することにより、抗原特異的な免疫寛容が成立することを明らかにした。また高解像度超音波ガイド下で胸腺組織に第VIII因子の選択的注入を低侵襲下で行うと、抗原特異的制御性T細胞が誘導され免疫寛容に到ることを示した。さらに血友病Aマウスの頸静脈にカテーテルを留置したマイクロポートシステムを導入し、連続的に第VIII因子を静注することにより、臨床例に類似した免疫寛容状態に到る成体マウスモデルを作成することが可能であった。一方線溶系制御因子PAI-1発現を欠損させた第VIII因子/PAI-1ダブルノックアウトマウスは、骨髄抗原提示細胞におけるMHC-classII発現の低下などにより抗第VIII因子インヒビターの発生が抑制されることから、免疫応答と線溶系との密接な連関が存在することも明らかとなった。本シンポジウムでは、今日の血友病臨床において克服すべき重要なテーマであるインヒビターの発生と制御手法に関して、我々が進めている動物モデルを用いた免疫寛容導入法の研究を主体に論じたい。

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