演題詳細

教育講演 / Educational Lecture

【再】教育講演40 (Educational Lecture 40) : ガイドライン(標準治療)

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日程
2013年10月13日(日)
時間
16:30 - 17:00
会場
第11会場 / Room No.11 (札幌市教育文化会館 1F 大ホール)
座長・司会
一瀬 白帝 (Akitada Ichinose):1
1:山形大学医学部 分子病態学
 
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出血性疾患の診断アプローチ

演題番号 : EL-40

大森 司 (Tsukasa Ohmori):1

1:自治医科大学分子病態治療研究センター 分子病態研究部

 

はじめに

 日常臨床において血液内科医が診察したり,他科よりコンサルテーションを受ける疾患は多岐に渡る。白血病や悪性リンパ腫,多発性骨髄腫を始めとした腫瘍性疾患だけでなく,非腫瘍性疾患も多い。その中でも,多くの血液内科医から敬遠されがちな分野として止血血栓分野があげられる。軽度の外傷に伴う出血傾向,原因不明の紫斑・出血斑,術前の凝固検査異常値等,血液内科医が出血性疾患や血栓性疾患の診察・治療を行う機会は多く,その診断へのアプローチ手法を熟知しておく必要がある。本教育講演では,止血機構の生理学をまとめ,検査値の解釈,および診断手法について簡潔に概説し,苦手意識を持つ学会員の一助となることを目標としたい。

1.止血機構オーバービュー

 血液は血管内腔の閉鎖回路の中で,各臓器・細胞に酸素や必要な栄養分,シグナル伝達物質を運搬する。血管が血液と接する内壁には血管内皮細胞が存在する。この血管内皮細胞は血管内腔での血液の流動性を保つために,様々な血小板活性化抑制物質や凝固調節因子,線溶活性因子を発現する(Fig. 1)1, 2)。一度,血管壁が損傷すると,生体はこれに鋭敏に反応し,出血局所でのベクトルが,一気に向血栓性に傾き一連の止血反応の進行により血管からの血液漏出(出血)を最小限にする。血管損傷部位での初期の止血反応を担うのが血液細胞の血小板である。この血小板の関与する止血反応を一次止血と呼ぶ。血小板活性化に引き続く,凝固因子による止血反応を二次止血と呼ぶ。一次止血は,決壊した堤防の土嚢の役割をはたし,二次止血はこれを埋めるセメントのような役割をもつ(Fig. 1)3)。一次止血と二次止血は便宜的に区別されるが,互いに相互作用をしながら,出血部位に限局して止血栓を効率よく形成する4)。形成された止血栓は線溶反応により,血栓が適切な大きさとなるように調節される(Fig. 1)。これらの止血反応の破綻により出血傾向を呈する。日常診療で遭遇する一次止血の異常は血小板数減少によることが主である。抗血小板薬など薬剤性のものを除いては血小板機能異常症に遭遇する機会は少ない。二次止血異常は,肝疾患による凝固因子産生障害や播種性血管内凝固症候群(DIC)による消費性低下が多い。血友病やvon Willebrand病(VWD),等の先天性出血性疾患,および後天性凝固因子インヒビターが鑑別として重要である。

2.出血傾向の診断アプローチの概要

1)診察:出血傾向は自然,または軽微の外傷・打撲により血液が血管外へ漏出することで認識される。出血傾向の主訴としては鼻出血,皮膚出血斑が多い。まず,出血の性状とその部位を観察することから,一次止血と二次止血の異常を大まかに判断する。一次止血の異常では皮膚・粘膜出血をきたすことが多く,二次止血の異常では筋肉内や関節内などの深部出血が特徴である5)。皮膚の出血斑は,一次止血異常では点状出血が主であるのに対して,二次止血異常によるものは大きい6)。点状出血は下肢に多い。アレルギー性紫斑病の紫斑は隆起し,若干赤いことが特徴である。診察で貧血の合併を必ず検索し,特に消化管出血,また造血器悪性腫瘍,等の緊急性を要する疾患の合併に注意する。また,脾腫の有無,ならびに黄疸(溶血,または肝疾患)についても確認を行う。
2)問診:成人の場合には過去の出血歴(特に抜歯時など観血的処置時の止血),また家族歴の聴取が重要である。これらは先天性か後天性かを鑑別するのに役立つ。女性では月経過多の有無について聴取する。また薬剤内服歴,特に非ステロイド性抗炎症薬を含めた抗血小板作用のある薬剤やワルファリンも出血傾向の原因として重要である。
3)スクリーニング検査の進め方5, 7):出血傾向を客観的に評価するために臨床検査を用いる。スクリーニングとしては,血算(血小板数),PT,APTT,フィブリノーゲン,FDP(またはD-dimer)が一般的である(Fig. 2)8)。一次止血異常はとしては血小板減少症が最も多い。薬剤性以外の血小板機能異常症に遭遇する機会は少ない。PT,APTTはそれぞれ外因系,内因系凝固反応を評価する検査である。これらの異常を見た時には,まず肝臓での凝固因子産生能が十分か(肝予備能,ワルファリン内服,低栄養の有無)評価し,FDP,D-dimerによりDICなどの消費性の凝固因子低下を除外する。これらの全体的に凝固因子が減少する疾患を除外した後に,特定の凝固因子の欠乏があるかどうか,また阻害物質が存在するか否かについて,凝固因子活性測定,並びに交差混合試験クロス(ミキシングテスト)を行う(後述)。血小板数正常,PT,APTT正常の出血傾向に遭遇した際は血小板機能検査,血液凝固第XIII因子測定を行う。

3.一次止血機構とその異常

 この血管壁と血小板血栓の形成不全による出血傾向の原因として,1)血小板減少症,2)血小板機能の異常,3)血漿蛋白質の異常,4)血管壁の異常がある。

1)血小板減少症の鑑別診断
 血小板減少症は遭遇する出血傾向の原因として頻度が高い(Table 1)。実臨床では一般に血小板数が10万/μl以下で精査を考慮する。症状のない血小板減少症に遭遇した際には,まず偽性血小板減少症を除外する。これは抗凝固剤として用いられるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(試験管内の白い粉)が存在すると免疫グロブリンにより血小板同士,または血小板と白血球が結合し,自動血算計で血小板数が低く見積もられる現象である9)。実際の血小板減少はないために治療の必要性はない。末梢血塗抹標本で血小板凝集塊の存在を確認することが重要である。また,巨大血小板を呈する先天性疾患(May-Hegglin異常症など)では,巨大血小板が自動分析器で血小板と認識されず,血小板数を低く見積もる危険性がある10)。この場合も末梢血塗抹標本の観察が重要である。血小板数が2~5万/μl以下では外傷時などに易出血性が認められるために早急に精査を進める必要がある。一般に1万/μl以下となると自然出血のリスクが高くなるため血小板輸血を含む緊急な対応が必要である。
 診断では,血小板減少症の原因を1)血小板産生の低下,2)破壊亢進・消費性の減少,3)分布異常・希釈,4)先天性,に分けて考える(Table 1)6)。実臨床では,まず,肝疾患(特にHCV),HIV感染症,脾腫の存在,膠原病の合併,薬剤性の血小板減少症を除外する。FDP,D-dimerにより血栓形成による消費性低下を評価する。また他の血球異常の有無,末梢血塗抹標本の観察も,骨髄占拠性病変や血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)などの診断に有用である(Fig. 2)。最近では,幼若血小板比率(網血小板比率)を測定することで間接的に骨髄での血小板造血を評価することもある11)。また,血小板減少症が悪性リンパ腫の初発症状であることがあるため,筆者は可溶性インターロイキン-2(IL-2)受容体を測定している。まずはこれらの非侵襲性検査により血小板減少症の鑑別診断を行い,その後,必要に応じて骨髄検査による精査を行う(Fig. 2)。欧米のガイドラインでは特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の診断には骨髄検査は必ずしも必須でないとされているが12),高齢者で,原因が明らかでないときには,骨髄異形成症候群等,他疾患の除外のために骨髄検査の施行が望ましい。

2)血小板機能検査と血小板機能異常症
 PTとAPTTが正常で,血小板数減少を認めない出血傾向に遭遇した時に血小板機能異常症をうたがう。血小板機能検査として出血時間が普及しているが,その再現性の低さから正常だからといって必ずしも一次止血異常を否定出来ない13)。原因不明の明らかな出血傾向がある際には,血小板機能検査を施行する。日常臨床で遭遇する血小板機能異常症はNSAIDsや抗血小板薬による薬剤性が大部分を占める。M蛋白など異常蛋白質の存在により血小板機能異常をきたすことがある。また,真性多血症や本態性血小板血症などでは,一般に血栓傾向が予後を左右するが,血小板数が100万/μlを超えた場合,VWF活性の低下が出血傾向に結びつくことがある14)
 血小板機能検査は一般に馴染みの深い検査ではないが,その原理はさほど難しくない。血小板多血漿を遠心操作で得た後に,血小板刺激物質を添加して血小板凝集に伴う透過度の亢進を定量化する(Fig. 3)13)。用いる血小板刺激物質としては,リストセチン,コラーゲン,ADPが一般的である。リストセチン凝集能は血小板粘着反応の評価に用いられる。この反応には血漿蛋白質であるvon Willebrand因子(VWF)と血小板上のGPIb/IX/V複合体が重要である15)。VWFが低下・欠損するvon Willebrand病やGPIb/IX/V複合体欠損によるBernard-Soulier症候群で,この反応が阻害される16)。コラーゲン,ADPはそれぞれ,特異的な受容体を介して,血小板内に活性化シグナルを伝達し,最終的に血小板膜上のGPIIb/IIIa(インテグリンαIIbβ3)を活性化させる15)。 GPIIb/IIIaは通常では静止状態であるが,刺激により血小板が活性化されると活性型となり,フィブリノーゲンやVWFと結合し,血小板同士を凝集させる15)。GPIIb/IIIaが欠損する血小板無力症でこの反応が阻害される(Fig. 3)16)。血小板の放出反応の異常(Storage-pool deficiencyなど),抗血小板薬内服では,高濃度刺激物の存在下でも一過性の凝集しか得られない(二次凝集の欠如)を認める(Fig. 3)。

3)血漿蛋白の異常・血管壁の異常
 一次止血異常を呈する血漿蛋白質の異常としてVWFの機能的低下をきたすVWD,およびフィブリノーゲン低下が挙げられる。それぞれ,血小板粘着と血小板凝集に重要な蛋白質である。血管壁の異常では遺伝性出血性血管拡張症(Osler病)や結合組織の異常をきたすEhlers-Danlos症候群などがある。

4.二次止血機構とその異常

 凝固因子は血中では不活性体で循環しているが,出血・血栓形成により凝固因子カスケードの引き金が引かれると上流の凝固因子により活性化され,一気にドミノ倒しのように反応が増幅し,最終的にフィブリン血栓の形成をきたす。

1)凝固因子カスケードと臨床検査
 まず,大まかに内因系,外因系,共通系の反応が存在することを理解する(Fig. 4)17)。生体内の反応は内因系と外因系は完全に区別が出来ないが(後述),初めは検査の解釈のために分けて覚えた方がよい。また,上流の凝固因子よりも下流から覚える方が理解しやすい。まず,共通系の最終段階であるフィブリノーゲンからフィブリン血栓の形成がトロンビンでなされること,トロンビンが活性化血液凝固第X因子(FXa;活性化凝固因子にはaを付ける)で生成されることを理解する。血液凝固第V因子(FV)には酵素活性はなく,補酵素として働く。この共通系を活性化させる経路として外因系と内因系がある。外因系はFVIIaと補酵素的に働く組織因子のみである。内因系はFXII因子から始まるが,FXII欠損症はAPTTが著明に延長するが出血傾向を来さず,生体内の止血反応には関与しない。止血反応には,FXIからの経路から,その下流のFIXとFVIIIによる反応が加わる(血友病の原因部位)。
 PT,APTTの異常を見た時には,肝臓での予備能としてアルブミンなどの他の臨床データを参考に凝固因子の産生能を評価する。またFDP,D-dimer値を測定し,DICによる消費性の凝固因子低下症を除外する。また,特異的な凝固因子欠乏症,またはインヒビターの存在について検索するために凝固因子活性を測定する。PTのみが異常となる時はFVII,APTTのみが異常の時はFVIII,FIX,FXI,FXII,VWF,両者ともに延長しているときはプロトロンビン,FX,FVを測定する(Fig. 2)8)。先天性の凝固因子欠乏症は血友病であるFVIIIまたはFIXの欠損がほとんどをしめ,他の凝固因子欠損症は稀である。頻度は血友病Aが5,000から10,000人に1人,血友病Bはその1/5,他のものではFVII欠損が多い(1/50万)(Table 2)18)。日本では,あまり登録はされていないが,女性での先天性出血性疾患としてはVWDが多い19)。後天性の凝固因子インヒビターはFVIIIに対するものが大部分であり,他は極めて稀である20)。臨床上,比較的頻度が高く鑑別が重要となる病態として出血傾向とAPTT単独延長が挙げられる。この鑑別診断として,血友病,VWD(VWFはFVIIIを安定化しているため),後天性血友病が重要である。全ての疾患でAPTT延長とFVIIIの低下を認めるが,VWDではVWF活性の低下,後天性血友病では混合試験でインヒビターパターン,並びにFVIIIインヒビター陽性を呈する。

2)クロスミキシングテスト(交差混合試験)と凝固因子インヒビター
 APTTやPTの延長と凝固因子活性の低下を見た時に,それが凝固因子欠損によるものか,またはインヒビターの存在によるかを判断するときにクロスミキシングテスト(交差混合試験)を行う21)。クロスミキシングテストとは患者血漿と正常血漿を一定の割合で混合し,一定時間後(通常2時間)にPTやAPTTを測定する。典型的な単一の凝固因子欠乏症の場合,25%程度の活性が存在すれば,これらの検査は正常値に近くなる(Fig. 5)。一方,凝固因子のインヒビターが存在する場合には補正されない(Fig. 5)。日常臨床では,非典型的パターンを取ることも多く確実な診断は困難な場合もあるが,筆者は50%混合で補正されないときには非欠乏と判断している。
 混合試験でインヒビターパターンを呈した時に最も問題となるのがループスアンチコアグラント(LA)の存在である22)。APTTやPTが延長してもLA陽性で出血傾向がなく,特異的な凝固因子活性の低下がない場合には,LAによる凝固延長であり出血傾向には結びつかないと判断する。ただし,LA活性が凝固因子測定に影響をおよぼす場合がある(特異的な凝固因子単独よりも複数の凝固因子活性が軽度低下することが多い)。この場合は混合直後と2時間後の混合試験の結果を比較し,直後からAPTT延長が認められるものはLAの可能性が高い。凝固因子の抗原量を測定することも有用である。いずれも,検査値のみでの確定診断は不可能なので,臨床的な出血傾向の存在を加味して判断する。

3)FXIIIとフィブリン血栓形成
 トロンビンにより出来たフィブリン血栓は脆弱であり,これがFXIIIにより強固なものになる。FXIIIは他の凝固因子とは異なり,トランスグルタミナーゼ活性をもつ酵素であり,異なるフィブリン間でのイソペプチド結合を促進する23)。FXIII因子活性はPTやAPTTに反映されないために,PTとAPTTが正常の出血傾向に遭遇した時にはFXIII活性を測定する。

4)実際の生体内における凝固因子カスケードの進行と制御
 生体内の凝固因子の血中モル濃度は,上流に行くほど少なく,また,FVIIIやFVは極わずかしか存在しない。酵素反応により下流の凝固因子活性をドミノ倒しのように増幅していくことで,効率のよい止血栓の形成につながる。また,FVIIaを介した外因系によるFXaの生成効率は内因系による活性化と比較して効率が悪い(Fig. 4)。実際の生体内ではFVIIaはFIXaを活性化させることで内因系凝固反応を介してFXaを生成する(Fig. 4)17)。FVIIaからFIXの活性化は,直接FXを活性化させるよりも10倍程度効率がよい。これが,インヒビターの生じた血友病患者(FIXやFVIII欠損)に対して,バイパス療法で大量のFVIIa投与が必要な理由でもある。
 大部分の凝固因子は酵素活性をもつセリンプロテアーゼであるが,FVとFVIIIは類似した構造をとり,補酵素として働く大きな分子である。これらの分子は活性化血小板膜のリン脂質で立体的にFXaとプロトロンビン,またはFIXaとFXを配置させることで凝固因子の活性化が効率よく起こるようにする。この両者が活性化プロテインC(APC)により分解されることが,凝固因子カスケードの重要な制御機構であること,後天性凝固因子インヒビターの頻度が多い部位であること(FVIII≫FV)を覚えておくとよい。
 凝固因子カスケードの制御機構として1)アンチトロンビン系,2)トロンボモジュリン(TM)-APC経路,3)組織因子経路インヒビター(TFPZ)がある(Fig. 1)24, 25)。アンチトロンビンはトロンビン,FXaなどと直接結合して酵素活性を阻害する。ヘパリンは,このアンチトロンビンによる凝固因子活性阻害をブーストして抗凝固作用を発揮する薬剤である。TM-APC系はトロンビンが生じた際にネガティブフィードバック的に働く機構である。プロテインSはAPCの補酵素として働く。日本人における先天性血栓性素因としてプロテインS異常症・欠損症,プロテインC欠損症,アンチトロンビン異常症が多い26)。TFPIは外因系凝固反応を制御する。

5.線溶とその異常

 線溶系の異常により出血傾向をきたす場合もある。最も遭遇する機会の多い疾患は前骨髄球性白血病(APL)に伴うDICである。APLに伴うDICは凝固系の亢進に合わせて,APL細胞上のアネキシンIIにより細胞上のプラスミン活性が増加し線溶活性が亢進し,他のDICと比較して出血傾向が強くなる27)。同様に線溶活性が亢進するDICをきたす疾患として前立腺癌や腎盂癌などが知られている28, 29)。この場合,検査値でFDP(特に血清FDP)とD-dimerを比較した時にFDPとD-dimerの解離(FDP≫D-dimer)を認め,アンチトロンビンは比較的保たれる。また,極めて稀ではあるが線溶調節因子であるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)やα2-プラスミンインヒビター(α2PI)の欠損により出血傾向をきたす場合がある30, 31)

おわりに

 日常診療で遭遇する出血性疾患の診断手順について,一次止血と二次止血,線溶にわけて概説した。生体は出血を最小限とするために,理にかなった生理機構を備えている。一見複雑に思える止血反応も一度理解すれば,診断へのアプローチも容易となる。本総説が,会員の知識の整理・理解につながれば幸いである。紙面の都合上,診断と生理機構のみに焦点をあてたため,個々の疾患の治療については,他の教科書を参照していただきたい。

文  献

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自治医科大学分子病態治療研究センター分子病態研究部

Fig. 1 Overview of hemostasis. (A) Intact endothelial cells prevent thrombosis by different anticoagulant and antiplatelet mechanisms. Endothelial cells release a fibrinolytic mediator, tissue-type plasminogen activator (tPA), and potent inhibitors of platelet aggregation and vasoconstriction, nitric oxide (NO) and prostacyclin (PGI2). Thrombin binds to thrombomodulin (TM) on the endothelial cells, and the resulting complex activates protein C. Activated protein C (APC), in association with protein S, proteolytically inactivates factor V and factor VIII. Antithrombin (AT) neutralizes most of the enzymes in the coagulation cascade, especially thrombin and activated factor X. (B) When endothelial damage occurs, platelets adhere and aggregate with one another to form a platelet plug at the site of vascular injury (primary hemostasis). (C) The coagulation cascade is activated on the surface phospholipids of the activated platelets (secondary hemostasis). (D) Finally, the fibrinolytic system lyses the fibrin clot to prevent intravascular thrombosis.
Fig. 2 Approach to patients with a bleeding diathesis. Careful assessment of the presenting complaint, medication, and bleeding history can provide important clues for whether the defect is inherited or acquired. General screening laboratory tests for a bleeding diathesis include complete blood count (CBC), PT, APTT, FDP (D-dimer), and fibrinogen. In thrombocytopenic patients, it is especially important to use the CBC and a blood smear to diagnose leukemia, TTP, and pseudothrombocytopenia. An increase in FDP (or D-dimer) helps to diagnose DIC in thrombocytopenic patients. A bone marrow aspiration is indicated for patients with unexplained thrombocytopenia. Liver disease, vitamin K deficiency, and DIC should be primarily ruled out in patients with prolonged PT and APTT. The precise diagnosis may be obtained by measurements of specific coagulation factors, a cross-mixing test, and lupus anticoagulant (LA). FXIII and a platelet function test should be considered in patients with a bleeding diathesis and normal values for the platelet count, PT, and APTT.
Fig. 3 Principle of platelet function testing and representation of the study results. (A) Platelet-rich plasma is obtained from whole blood by centrifugation. Platelet activation is induced by addition of an agonist (collagen, ADP, or ristocetin), and the increase in optical density is monitored as the progression of platelet aggregation. (B) Platelet aggregation was induced by 5 μM ADP or 1 μg/ml of collagen. A complete defect of platelet aggregation was observed in Glanzmann’s thrombasthenia. A defect of the secondary wave of platelet aggregation by ADP, and a defect of collagen-elicited platelet aggregation were seen in platelets from a patient with storage pool deficiency (Hermansky–Pudlak syndrome).
Fig. 4 Schematic representation of coagulation pathways. Both the extrinsic pathway and intrinsic pathway activate the final common pathway of FXa, thrombin, and fibrin for secondary hemostasis. In the clinical laboratory, the intrinsic pathway assessed by APTT can be distinguished from the extrinsic pathway measured by PT. Although FVIIa is the initiator of blood coagulation, direct FXa production by FVIIa in the absence of the intrinsic pathway is weak. Amplification of the coagulation by the intrinsic pathway is important for efficient blood coagulation in vivo (dashed arrow). FXIIa: activated coagulation factor XII; FXIa: activated coagulation factor XI; FVIIIa: activated coagulation factor VIII; FIXa: activated coagulation factor IX; FX: coagulation factor X; FXa: activated coagulation factor X; FVa: activated coagulation factor V.
Fig. 5 Representative patterns of the cross-mixing test. (A) FV-deficient plasma was mixed with normal pooled plasma at the indicated ratio. APTT is almost normalized in the presence of 25% normal plasma. (B) Plasma obtained from acquired hemophilia A (FVIII inhibitor) was incubated with normal plasma. Prolonged APTT can still be observed in the presence of 75% normal plasma (cited and modified from reference 8).

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