演題詳細

教育講演 / Educational Lecture

教育講演20 (Educational Lecture 20) : トピックス

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日程
2013年10月11日(金)
時間
09:00 - 09:30
会場
第7会場 / Room No.7 (ロイトン札幌 2F リージェント)
座長・司会
平尾 敦 (Atsushi Hirao):1
1:金沢大学がん進展制御研究所 遺伝子・染色体構築研究分野
 
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CML stem cells

演題番号 : EL-20

仲 一仁 (Kazuhito Naka):1

1:金沢大学がん進展制御研究所 がん幹細胞探索プロジェクト

 

はじめに

 慢性骨髄性白血病(CML)幹細胞は非常に多くの分化したCML細胞を生み出すもととなる細胞である。チロシンキナーゼ阻害薬(Tyrosine kinase inhibitor: TKI)による治療後,残存したCML幹細胞は再発を引き起こす原因となる。CMLは造血幹細胞を発症母細胞とする幹細胞疾患であり,CML幹細胞は造血幹細胞の幹細胞性(Stemness)を保持したまま“がん幹細胞化”していると考えられている。今日までに,造血幹細胞の研究成果を手掛りとして,休眠状態のCML幹細胞の維持には,細胞周期の静止期制御,代謝,微小環境(ニッチ),未分化性維持などの様々な分子メカニズムが関わることが解明されている。また,CML幹細胞の研究では,生物学的興味に留まることなく,TKI耐性やCML Blast crisis (CML-BC),PhALLの克服を目指した先駆的な研究が進められている。本稿では,まず,CML幹細胞研究の意義と技術的側面について概説し,次いで,慢性期(CML-CP),TKI耐性,CML-BC,PhB-ALLに至るCML幹細胞の生物学的特性と根絶を指向した研究について最新の知見を紹介したい。

1.CML幹細胞研究の意義

1)CML幹細胞とStemness
 CML患者の白血病細胞中には少数のCML幹細胞が存在しており,このCML幹細胞が大多数を占める分化したCML細胞の供給源となっている。白血病幹細胞は,最初に急性骨髄性白血病(AML)患者の白血病細胞中で発見された1, 2)(参照:臨床血液53,1814-1818,2012)。その後,固形腫瘍においてもがん幹細胞研究は飛躍的な進展を遂げてきている3~8)。しかし,いくつかの腫瘍のがん幹細胞については,免疫不全マウスを用いた解析系の問題や,リプログラミングのような階層構造(ヒエラルキー)モデルでは説明できない現象も報告されている。そのようながん幹細胞の研究領域にあって,CML幹細胞は階層構造モデルを基盤とするがん幹細胞説がよく適合する腫瘍として現在も多くの研究者の熱い注目を集めている。
 かねてより,ヒトCML患者では複数の成熟血液細胞に分化した白血病細胞が検出されることから,CMLの起源はより未分化な造血幹細胞レベルであると考えられてきた9)。今世紀になって,マウス造血幹細胞にBCR-ABL遺伝子を発現させるとCML様骨髄増殖性疾患を発症するが,より分化度が進行した血液前駆細胞にBCR-ABLを発現させてもCMLを発症しないことが証明された10)。また,ヒトCML幹細胞(分化マーカー陰性,CD34CD38細胞)11~15),並びにマウスCML幹細胞(分化マーカー陰性,Sca-1cKit;LSK細胞)16~20)はそれぞれ造血幹細胞と同様の細胞表面マーカーを発現する細胞集団中に存在する(Fig.1)。このような研究成果からCML幹細胞の起源は未分化な造血幹細胞レベルであると理解されている21~23)
 造血幹細胞は,多系統に分化した成熟血液細胞を供給する多分化能と,個体の生涯を通じて造血幹細胞自身を維持する自己複製能を併せ持つ細胞である。この自己複製と分化のバランスによって必要な血液細胞を供給し,生体の恒常性を維持している。このような未分化性や自己複製能といった幹細胞性(Stemness)を制御しているメカニズムとして,造血幹細胞が微小環境(ニッチ)において休眠状態で維持されることがあげられる。CML幹細胞は,このような造血幹細胞の幹細胞性を保持していると考えられており,先行する造血幹細胞の知見を手掛りとして,CML幹細胞の制御メカニズムの研究が進められてきた24~26)(Fig.2)。

2)BCR-ABLのキナーゼ活性非依存的なCML幹細胞の治療抵抗性機構
 慢性期のCML患者に対する治療薬としてメシル酸イマチニブ,ニロチニブ,ダサチニブなどのTKIが開発され,患者の予後を著しく改善した27, 28)。しかし,TKI治療は大多数の分化したCML細胞を排除することができるが,TKI抵抗性のCML幹細胞が残存して再発を引き起す8, 12, 13, 15, 29~31)。この残存したCML幹細胞からはT315IなどTKI耐性変異を獲得したBCR-ABLクローンの出現が懸念される。数理モデルを用いたシュミレーション解析により,Roederらは細胞周期の静止期にあるCML幹細胞がTKI抵抗性を示す可能性を示した32)。また,Corbinらは,CML幹細胞の生存がBCR-ABLに依存的なのか,それとも非依存的なのかという問題にアプローチしている33)。イマチニブはヒトCML幹細胞においてBCR-ABLのキナーゼ活性を阻害し,in vitroにおける細胞増殖能を抑制する。しかし,生体内ではBCR-ABLが不活性な状態でもサイトカインがCML幹細胞の生存を支持する。このような結果から,休眠期のCML幹細胞はBCR-ABL非依存的なメカニズムによって維持されていることが考えられる33)。例えば,後述するようなCML幹細胞の周囲の微小環境(ニッチ)による支持がTKI抵抗性に重要な役割を担うと考えられる。

2.CML幹細胞研究のマウスモデル

1)CML-CPモデル
 CML様骨髄増殖性腫瘍のマウスモデルとしてレトロウイルスベクターを用いたヒトBCR-ABL遺伝子の導入が用いられてきた。5-FU処理やソーティングによって得た造血幹細胞にBCR-ABL遺伝子を導入し,この細胞をレシピエントマウスに移植する16, 34~37)。約2~3週間後,骨髄,並びに脾臓よりCML幹細胞を得ることができる。このレトロウイルスを用いた移植モデルのCML幹細胞は,上述のように正常造血幹細胞と同様のLSK細胞中に存在する(Fig.1B)。このCML幹細胞は3回程度,連続移植が可能であるが,単位細胞当たりのCML発症能力は移植を重ねるたびに低下していく18)。また,このモデルから得られるCML幹細胞は骨髄性白血病のみならず,B細胞性,並びにT細胞性白血病へと分化する多分化能力を有する18, 38)。すなわち,CML幹細胞は発症母細胞である造血幹細胞の幹細胞性(Stemness)を保持しているものと考えられる。しかし,マウスとヒトCML患者の間の病態の差異(何故T細胞性の分化能を有しているのか?等)は今後の検討課題であろう。

2)TKI-resistant CML
 レトロウイルスを用いた移植モデルのメリットは,CML幹細胞における種々のBCR-ABL遺伝子産物の機能解析が容易なことである。実際,T315Iに代表されるTKI耐性CMLモデルを用いたCML幹細胞の研究成果が報告されている39~41)。TKI耐性型BCR-ABL T315IモデルにおいてもCML幹細胞はLSK細胞中に存在する(Fig.1C)。

3)CML-BC
 レトロウイルスを用いたBCR-ABL遺伝子の単独導入ではCML-BCは発症しないが,造血幹細胞にBCR-ABLとNup98-HoxA9を共導入することでCML-BCのマウスモデルが樹立できる42, 43)。このCML-BCモデルの白血病幹細胞はLin,Sca1細胞から得られる43)(Fig.1D)。このCML-BC幹細胞は少なくとも4回連続移植を行っても白血病発症能力が衰えない。近年,CML-BC患者にはmiR-328の発現低下44),PhB-ALLの発症にはIkarosのDNA結合領域を欠失するスプライシングバリアント45)やB細胞のクラススイッチ誘導を行うAID46)の関与が報告されており,これらのメカニズムを用いたCML-BC,PhB-ALL動物モデルの樹立が待たれる。

4)トランスジェニックマウス
 レトロウイルスを用いた遺伝子導入は発現する遺伝子のコピー数が多く,実際の患者病態よりも,白血病細胞の増殖・浸潤能が高いなどの問題も指摘される。Hondaらは造血幹細胞/前駆細胞で発現しているTec遺伝子のプロモーター制御下でBCR-ABL遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを樹立している47, 48)。また,Tenenらはテトラサイクリン投与によって発現制御可能な誘導型BCR-ABLトランスジェニックマウスを作出している49)。このマウスとScl (Stem cell leukemia)遺伝子のプロモーター制御下で造血幹細胞・血液前駆細胞特異的にテトラサイクリン制御性トランス活性化因子(tTA)を発現するトランスジェニックマウスを交雑することで,CML様骨髄増殖性腫瘍を発症する誘導型CMLマウスモデルが得られる50, 51)。このトランスジェニックマウスを用いたCML様骨髄増殖性腫瘍の自然発症モデルはCML幹細胞の研究を進めるうえで強力なツールとなっている。
 このトランスジェニックマウスモデルでも,CML幹細胞は正常造血幹細胞と同様のLSK細胞集団に存在する。さらに,長期造血幹細胞のマーカーとして知られるCD34LSK細胞やCD150Flt3CD48CD41LSK細胞19, 20)はより未分化なCML幹細胞の特性を研究するうえで有用である。

3.CML幹細胞の未分化性・TKI抵抗性を制御するメカニズム

1)細胞周期の静止期(G0期)制御
PML
 PMLは正常造血幹細胞とCML幹細胞において細胞周期の静止期(G0期)制御と自己複製能の維持に関わっている。Itoらは,Pml欠損マウスでは造血幹細胞の自己複製能が低下しており,また,Pml欠損マウス由来CML幹細胞は細胞周期のG0期制御から逸脱して白血病発症能が低下していることを報告している17)。CML幹細胞を移植したマウスに対するPML阻害剤As2O3と抗がん剤Ara-Cの併用投与はCMLの発症を抑制する。最近,PMLの新しい機能として,造血幹細胞においてPPAR-δを介した脂肪酸酸化経路の制御に関わることが注目されている52)

Fbxw7
 ユビキチンリガーゼFbxw7はc-Mycの分解を介して細胞周期をG0期へと導く。Takeishiらは,このFbxw7がCML幹細胞のG0期制御に重要であることを発見した53)Fbxw7欠損CML幹細胞では細胞周期のG0期の細胞が減少するとともに,CML幹細胞の白血病発症能力の低下とイマチニブ抵抗性の軽減が認められる。このFbxw7欠損CML幹細胞ではp53依存的アポトーシスの誘導によってCML幹細胞が減少している。このような結果から,Fbxw7はCML幹細胞におけるG0期制御,白血病発症能力,並びにTKI抵抗性に重要である。

2)Stemnessシグナル
Wnt/β-catenin経路
 Wnt/β-cateninシグナルも正常造血幹細胞とCML幹細胞の維持に重要な役割を担う。マウス正常造血幹細胞におけるβ-catenin遺伝子の欠損,或いは恒常活性化型β-cateninの導入は造血幹細胞の自己複製能に様々な影響をもたらす38, 54, 55)。一方,β-catenin欠損マウス由来のCML幹細胞は,野生型マウス由来のCML幹細胞と比較して,CML発症能が低い38 ,56)。また,Heidelらは,コンディショナル・ノックアウトマウスを用い,発症後のCML幹細胞におけるβ-catenin遺伝子の欠損の効果を証明している57)。驚くべきことに,CML発症後にβ-catenin遺伝子を欠失させてもマウスの生存期間の延長は見られなかった。しかし,このβ-catenin遺伝子の欠失とイマチニブ投与を組み合わせると,イマチニブ抵抗性CML幹細胞を減少させ,CMLの再発を軽減できることを発見した57)。さらに,β-cateninを阻害するインドメタシンとイマチニブを併用投与するとマウスの生存期間を延長できることを見出した57)。従って,β-cateninはCML幹細胞の維持に重要な役割を担うと考えられる。
 SchurchらはCML幹細胞におけるTNFファミリーCD27の役割を報告している58)。CD27はヒト,及びマウスCML幹細胞で発現しており,その活性はリガンドであるCD70によって誘導される。Cd27欠損マウス由来のCML幹細胞はCML発症能力が低い。また,CD70とCD27間の相互作用を阻害する抗CD27抗体(FR70)はCMLを発症したマウスの生存期間を延長できる。逆に,CD70の結合によってCD27を活性化するとCML幹細胞のコロニー形成能を亢進するが,この時,β-cateninの活性化を示す細胞が出現して,Wntシグナルの標的遺伝子の発現が上昇する。すなわち,CD27によるCML幹細胞の制御にはWnt/β-cateninシグナルの活性化が関与していると考えられる。
 一方,CML-BCの患者において,Granulocyte-Macrophage Progenitors (GMP)様の細胞表面マーカーの発現が認められることから,CML-BCにおけるLICs (Leukemia-initiating cells)の発症起源はGMPである可能性が考えられている59)。このGMP様LICs (CML-GMPs)においてβ-cateninの活性化が認められることから,CML-BCのCML-GMPsではWnt/β-catenin経路の関与が考えられる。

Hedgehog (Hh)シグナル
 Hhシグナルも正常造血幹細胞とCML幹細胞の制御に関わっている。12回膜貫通型レセプターPtchはSmoを抑制している。PtchにHhリガンドが結合してSmoに対する抑制が解除されると,転写因子Gliが活性化される。コンディショナル・ノックアウトマウスを用いた解析により,Smo欠損マウスは造血幹細胞の自己複製能が低下する60, 61)。一方,Smo欠損マウス由来のCML幹細胞は白血病発症能が低下しており60, 61),恒常活性化型のSmoの導入はCML幹細胞によるCML発症能を亢進させる61)。従って,HhシグナルはCML幹細胞の制御に深く関わっている。
 さらに,CML幹細胞に対するSmo阻害剤の治療効果が検証された。CMLマウスモデルに対するSmo阻害剤シクロパミンの投与はCML幹細胞の白血病発症能を抑制できる60, 61)。TKI (ニロチニブ)とシクロパミンの併用は,ニロチニブの単独投与と比較して,CMLを発症したマウスの生存期間を延長する。従って,シクロパミンはTKI抵抗性のCML幹細胞を治療する分子標的医薬となる可能性がある60)

3)代謝制御
HIF-1
 造血幹細胞は低酸素環境の骨髄ニッチで維持されているが,Takuboらはこのような低酸素環境下でHIF-1 αが造血幹細胞の維持に重要な役割を担うことを報告した62)。重要なことに,長期造血幹細胞ではこのHIF-1 αによってPdk (Pyruvate dehydrogenase kinase) -2,-4が誘導され解糖系が亢進していることを発見した63)。同様に,HIF-1 αはCML幹細胞の維持にも関与している。Hif-1 α欠損CML幹細胞では細胞周期のG0期制御が異常となり,アポトーシスが誘導される64)。従って,CML幹細胞も造血幹細胞と同様に低酸素環境下での維持が重要であることが示唆される。

FOXO
 FOXOは細胞周期の静止期維持,代謝制御,ストレス耐性に関わる転写因子であり,増殖細胞においてはPI3K-Aktシグナルによって抑制される。Foxo3a欠損マウス由来の造血幹細胞では自己複製能が低下している65~67)。一方,CML細胞株を用いた報告において,BCR-ABLはPI3K-Aktシグナルを活性化し,FOXOを抑制することが知られている。CML細胞株に対するイマチニブ処理は,BCR-ABLのキナーゼ活性を抑制してFOXOを活性化し,アポトーシスの誘導や細胞周期の停止を引き起こす(Fig.3A)。Komatsuらは,このFOXOによる細胞周期の抑制がイマチニブ抵抗性の原因となる可能性を指摘している68)
 筆者らはCML様骨髄増殖性疾患のマウスモデルを用いてCML幹細胞におけるFOXOの役割を解析した。Foxo3a欠損マウス由来のCML幹細胞は,野生型マウス由来のCML幹細胞と比較して同等のCML発症能力を示した。すなわち,FOXOはCMLの発症段階には関与していないと考えられる。しかし,イマチニブ投与後に残存するCML幹細胞の解析を行った結果,Foxo3a欠損CML幹細胞を移植したマウスではイマチニブ抵抗性CML幹細胞が減少し,再発が軽減することが判明した。従って,FOXOはイマチニブ抵抗性CML幹細胞の維持に重要な役割を担うと考えられる(Fig.3B)。同様に,AML幹細胞の維持においてもAkt/FOXO経路が重要であることが報告されている69)。MuschenらはFOXOの標的遺伝子の一つとしてBCL-6が誘導され,CML幹細胞やPhALL細胞のTKI抵抗性を制御することを報告している70~72)
 FOXOによるCML幹細胞の維持機構にはいくつかの可能性が考えられる。その一つとしてオートファジーの制御を介するメカニズムがあげられる。オートファジーは,栄養飢餓などの代謝ストレスにおいて自身の細胞内タンパクを分解して生命を維持する生体防御機構である。造血幹細胞の長期骨髄再構築能の維持にはこのオートファジーが必要不可欠である73)。従って,オートファジーの阻害はCML幹細胞を標的とする治療法となることが期待される。事実,オートファジーの阻害薬はCML幹細胞を治療できる可能性が示されている74)。FOXO3Aはオートファジー制御遺伝子の発現プログラムに必須であることが報告されている75)。また,FOXOはHIF-1の転写活性を抑制することが報告されており,低酸素環境下で造血幹細胞のエネルギー代謝を抑制する可能性も示唆される76)。一方,正常造血幹細胞のG0期制御による自己複製能の維持にはサイクリン依存キナーゼインヒビターp57Kip2が必須な役割を担う77, 78)。このp57Kip2はFOXOの標的遺伝子であり,FOXOによる造血幹細胞のG0期制御の鍵となる分子であると考えられている。今後,CML幹細胞のG0期制御におけるp57Kip2の役割の解明が待たれる。

4)微小環境(ニッチ)シグナルによる制御
TGF-β
 YamazakiらはTGF-βが正常造血幹細胞のFOXOを活性化し,自己複製能を制御するニッチファクターであることを解明した79, 80)。このような成果にもとづき,筆者らは,CML幹細胞においてもTGF-βシグナルがFOXOの活性化を制御することを報告した18)。実際,CML幹細胞を移植したマウスにイマチニブとTGF-β阻害薬の併用投与を行うと,イマチニブ単独投与に比べて,マウスの生存期間を延長できることが明らかとなった。これまで,大多数の分化したCML細胞においてFOXOはアポトーシスの誘導などのがん抑制機能を担うと考えられてきた。しかし,CML幹細胞におけるFOXOの役割は異なり,TGF-β-FOXOシグナルがイマチニブ抵抗性CML幹細胞の制御に重要な役割を担っている(Fig.3B)。
 Yokotaらは,生体内で破骨細胞がTGF-βを産生してCML細胞を制御することを報告している81)。また,Yamazakiらは骨髄中のGFAP非ミエリンシュワン細胞が長期造血幹細胞のTGF-βを活性化していることを発見した80)。このような造血幹細胞の維持に関わる微小環境(ニッチ)はCML幹細胞の制御メカニズムを解明する上で重要な手掛りになると考えられる。TGF-β阻害剤によるイマチニブ抵抗性CML幹細胞の抑制効果は,ヒトCML患者由来のCML幹細胞でも確認されている18, 82)。このような結果から,TGF-β阻害剤はCML幹細胞を排除する新しい分子標的治療薬として期待される。

CXCL12
 ケモカインCXCL12は造血幹細胞の骨髄ニッチへの保持に必須な役割を担う83~87)。ZhangらはCML幹細胞においてCXCL12の発現が抑制されており,このCXCL12発現低下によって骨髄へのホーミングや保持が低下していることを見出した20)。このCXCL12の発現抑制には,周囲の微小環境のサイトカイン・ケモカインの発現変化が影響を与えており,特にG-CSFの発現上昇が重要であることを報告している20)

5)エピジェネティック制御
GA binding protein複合体
 GABP (GAに富む配列を認識するDNA結合タンパク)複合体はDNA結合能を有するGABPαサブユニットと転写活性能を有するGABPβサブユニットからなる。このGABPβのアイソフォームのうちGABPβ1LとGABPβ2がC末端領域のロイシンジッパー構造によりGABPαと複合体を形成する。YuらはGABPβ1LとGABPβ2のダブル欠損マウスを用い,GABP複合体が長期造血幹細胞の維持に必須な役割を担うことを見出した88)。GABPβ1LとGABPβ2のダブル欠損マウスでは長期造血幹細胞の細胞周期のG0期細胞が減少し,アポトーシスが誘導される。さらに,このGABPβ1L/β2のダブル欠損マウス由来のCML幹細胞を移植すると,生体内でのCML幹細胞数が減少して,マウスの生存期間を延長する。また,GABPβ1L/β2ダブル欠損CML幹細胞を移植したマウスにイマチニブの投与を行うと再発を軽減することができる88)

6)細胞運命の制御メカニズム
IL-6
 Passegueらはテトラサイクリン誘導型BCR-ABLトランスジェニックマウスを用いて,CML幹細胞が骨髄性白血病細胞,またはPhB-ALL細胞へと分化する運命決定のメカニズムを解析した。その結果,炎症性サイトカインIL-6が白血病細胞の運命決定に重要な役割を担うことを発見した。CML幹細胞から分化したCML細胞はIL-6を産生する。このIL-6がパラクラインフィードバックによって,CML幹細胞から分化した多能性前駆細胞(MPPs: Multipotent progenitors)へと作用し,B-ALLへの分化をブロックして骨髄性白血病への分化を促している19)。興味深いことに,Il-6欠損マウス由来のCMLモデルでは骨髄性白血病の発症頻度が低下してPhB-ALLの頻度が亢進する。

4.CML幹細胞の治療戦略

1)CML幹細胞特異的遺伝子発現を標的とする戦略
Alox5
 正常造血幹細胞に対するダメージの少ないCML幹細胞選択的治療薬を開発するため,Liらは正常造血幹細胞とCML幹細胞との間での遺伝子発現プロファイリングを解析した。特に,CML幹細胞においてイマチニブ投与によっても発現変化の少ない遺伝子がCML幹細胞のTKI抵抗性に関わる可能性を想定し,そのストラテジーに則った遺伝子検索を行った。その結果,アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(Alox5)遺伝子の発現がCML幹細胞において亢進していることを明らかにした41)。リポキシゲナーゼはアラキドン酸からロイコトリエンの生合成を行う脂質制御酵素であり,酸化ストレス,炎症や発がんメカニズムに関わると考えられている18)。野生型マウス由来のCML幹細胞を移植したマウスと比較して,Alox5欠損マウス由来のCML幹細胞を移植したマウスは著しい生存期間の延長が認められた41)。従って,Alox5はCML幹細胞の白血病発症能の維持に必須な役割を担うと考えられる。さらに,5-リポキシゲナーゼ阻害剤であるZileutonとイマチニブとの併用投与は,イマチニブ単独投与と比較して,CMLの発症を遅延することを見出した41)Alox5遺伝子の欠損は正常造血幹細胞に対して影響を与えないことから,Zileutonは正常造血幹細胞に対する副作用の少ない,CML幹細胞選択的分子標的治療薬として期待される。

BLK
 さらに,Liらは,同様の遺伝子発現解析において,Alox5とは反対にBCR-ABLによって発現が抑制され,イマチニブ処理後も発現抑制が見られるBCR-ABLのキナーゼ活性に非依存的な発現抑制遺伝子を検索した。その結果,Blk (B-lymphoid kinase)を見出した89)Blk遺伝子の欠損はCMLの発症を促進し,反対にBlkの導入はCML幹細胞の白血病発症を抑制する。従って,CML幹細胞においてがん抑制機能を担うことが考えられる。そのがん抑制メカニズムにおいて,Blkはサイクリン依存キナーゼインヒビターp27KIP1を分解するSkp2を阻害し,結果的にp27KIP1の発現を亢進することが示された。重要なことに,Blkは正常造血幹細胞を阻害しないことから,その活性化は副作用の少ない分子標的となることが期待される。

2)脱アセチル化阻害剤
HDAC阻害剤
 ヒストン脱アセチル化酵素(Histone deacetylase; HDAC)はヒストンの脱アセチル化によってエピジェネティックな遺伝子発現を制御している。HDAC阻害剤はヒストンのアセチル化を促進して様々ながん抑制遺伝子の発現を誘導し,抗がん作用を有すると考えられている。BhatiaらはヒトCML患者由来のCML幹細胞にHDAC阻害剤LBH589とイマチニブとの共処理を行うとアポトーシスを誘導できることを報告した90)。また,CML細胞を移植したマウスにイマチニブとLBH589の併用投与を行うとCML幹細胞を抑制して生存期間を延長できる。

Sirt1阻害剤
 さらに,BhatiaらはNAD依存脱アセチル化酵素Sirt1の阻害効果を検討している91)。Sirt1のノックダウンやSirt1阻害薬Tenovin-6はCML幹細胞にアポトーシスを誘導する。このSirt1の阻害によるアポトーシス誘導はp53のアセチル化の亢進が関与している。Tevonin-6とイマチニブの併用投与はCMLを発症したマウスに対する治療効果を向上させる。

3)BCL-2阻害薬
 JamiesonらはRNAシークエンス技術を用いてCML-BC患者のトランスクリプトーム解析を行った。その結果,BCL-2ファミリー遺伝子やスプライスアイソフォームの発現異常がCML-BCへの進行を促進していることをつきとめた92)。全BCL2阻害薬Sabutoclaxは骨髄ニッチに存在するBC-CML幹細胞にTKI感受性を付与する。また,JordanらはヒトAML幹細胞中の活性酸素種(Reactive oxygen species; ROS)の低い静止期細胞集団ではBCL-2が過剰発現していることを報告している93)。BCL-2阻害薬ABT-263は酸化的リン酸化経路を抑制してAML幹細胞を排除することができる。

おわりに

 本稿では,CML幹細胞の制御機構とその治療戦略について最近の研究成果を概説した。正常造血幹細胞の自己複製能維持に関わる制御メカニズムは,今後もCML幹細胞の維持や抗がん剤抵抗性メカニズムを解明する上で重要な手掛りとなるであろう18)。一方で,CML-BCではGMPが発症起源であること59)や,PhB-ALL患者では階層構造モデルに基づくがん幹細胞説があてはまらないCDKN2A/CDKN2Bなどの付加的遺伝子変異による“Clonal evolution説”94)も提唱されている。本研究領域の目指す方向性は,慢性期のCML幹細胞の排除のみならず,CML-BCやPhB-ALL,さらに多くの患者の治療・再発の克服であろう。将来,このような研究成果が結実して,一人でも多くの患者の治療に貢献できる日が来ることを切望する。

文  献

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