演題詳細

ポスター / Poster

ポスター 49 (Poster 49) :ウイルス感染症

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日程
2013年10月11日(金)
時間
16:50 - 17:50
会場
ポスター会場 / Poster (ロイトン札幌 3F エメラルドABCD)
座長・司会
古川 雄祐 (Yusuke Furukawa):1
1:自治医科大学分子病態治療研究センター 幹細胞制御研究部
 
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成人T細胞白血病との鑑別に苦慮したHTLV-I関連関節症

演題番号 : PS-1-376

渡邉 秀之 (Hideyuki Watanabe):1,2、平瀬 伸尚 (Nobuhisa Hirase):2、合田 英明 (Hideaki Goda):2、宇都宮 勇人 (Hayato Utsunomiya):2、生山 祥一郎 (Shoichiro Ikuyama):2、大島 孝一 (Koichi Ohshima):3、西村 純二 (Junji Nishimura):1

1:福岡県済生会飯塚嘉穂病院 内科、2:九州大学病院 別府病院 免疫・血液・代謝内科、3:久留米大学 病理学教室

 

症例は59歳男性。2011年12月より両肩関節痛が出現。その後、多関節腫脹が出現したため近医を受診したところ、末梢血に異常リンパ球が出現しHTLV-I抗体(PA法)が陽性であったため、当科受診。身体所見では、左顎下、両鼠径部に小リンパ節腫大を認めたが、皮疹は認めなかった。また両手関節、両膝関節、両足関節を含めた多関節の腫脹・圧痛を認めた。さらに肺クリプトコッカス症を併発していた。末梢血では、白血球 9,020/μl(リンパ球 24.0%、異常リンパ球 3.0%)、LDH 244U/l、補正Ca 9.6mg/dl、CRP 1.09 mg/dl、sIL-2R 3,947U/mlで、HTLV-IプロウイルスDNA (real time PCR法) 定量 6.77 copies/100PBMCsであったが、HTLV-I DNA (サザンブロット法) 定性検査はポリクローナルな陽性所見であった。また骨髄検査では異常リンパ球は3.4%でありFDG-PETでも異常集積を認めなかったため、化学療法を要する成人T細胞白血病 (ATL) ではないと判断した。関節のレントゲンでは関節炎に伴う骨変化は認めず、MRIでは手関節および膝関節に滑膜炎所見を認めた。右膝関節の滑膜生検では、小型~中型の軽度の核異型を伴ったリンパ球様細胞が滑膜表層および小血管周囲に浸潤しており、免疫組織染色ではCD3 (+)、CD4 (一部+)、CCR4 (2% +)、FOX-P3 (10% +)、CD20 (-)を認め、HTLV-I関連関節症(HAAP)と診断した。PSL 10mg/日およびMTX 16mg/週による加療で関節症状は軽快した。ATLの発症との鑑別に苦慮したHAAPの症例であったが、その病態にはHTLV-Iのポリクローナルな増殖が関与していることが示唆された。本例はATL発症に先立ってHAAPが発症している可能性もあり、今後の注意深い経過観察が必要な貴重な症例と考え今回報告した。

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