演題詳細

ポスター / Poster

ポスター 39 (Poster 39) :後天性血友病

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日程
2013年10月11日(金)
時間
16:50 - 17:50
会場
ポスター会場 / Poster (ロイトン札幌 3F ロイトンホールABCD)
座長・司会
森下 英理子 (Eriko Morishita):1
1:金沢大学医薬保健研究域病態検査学
 
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甲状腺中毒症および肝障害を伴う悪性悪阻からの流産後に顕在化した後天性血友病Aの1例

演題番号 : PS-1-294

堀田 成人 (Shigeto Horita):1、杉盛 千春 (Chiharu Sugimori):1、松岡 歩 (Ayumi Matsuoka):2、青木 剛 (Go Aoki):1、澤崎 愛子 (Aiko Sawazaki):1、山口 正木 (Masaki Yamaguchi):1、上田 幹夫 (Mikio Ueda):1

1:石川県立中央病院 血液内科、2:石川県立中央病院 産科婦人科

 

【緒言】後天性血友病(AHA)は第VIII因子に対する自己抗体が後天的に産生され凝固障害を来す疾患であり基本的に高齢患者が多いが、妊娠関連AHAも知られる。一般的には出産数ヶ月後に顕在化することが多く予後は良好とされるが、われわれは恐らく出産前からインヒビターを産生していた1例を経験したので、報告する。【症例】36歳女性、初回妊娠。悪阻が徐々に悪化し13w4d入院。AST 325 U/L、ALT 660 U/L、FT3 6.82 ng/mL、FT4 8.94 pg/mL、TSH 0.005 uIU/mLであった。肝炎に関する各種抗体を検索するもいずれも陰性であり、甲状腺エコーでも特異的な所見は得られず。ヨード製剤、栄養点滴などにて改善したことから悪性悪阻に伴う甲状腺中毒症および肝障害であったと判断、16w2dに一旦退院した。ところが、17w5dに破水を来たし救急受診、流産した。胎盤病理所見はstageIIIの絨毛羊膜炎であった。以後も性器出血が持続したことから凝固能を確認したところ、APTT 76.5s、PT 11.1s (INR 1.06)、Fbg 220mg/dL、PLT 248 x 109/Lであった。ループスアンチコアグラント正常、クロスミキシング試験もほぼ正常に思われたが、第VIII因子活性2%、第VIII因子インヒビター1 BU/mLであり、後天性血友病と診断した。止血バイパス療法としてファイバ 75U/kgを間欠的に計13回投与し出血を抑制しつつPSL 1mg/kgによる免疫抑制療法を施行した結果、day 35にインヒビターは陰性化した。【考察】最近のヨーロッパからの報告(EACH2 study)では妊娠関連AHAは全症例のうち8.4%(42/501)、うち17%(8/42)が出産前に発症しており、全例が本例同様初産であった。ただし、本例のように甲状腺中毒症や肝障害を伴うような悪性悪阻からの流産を経た症例は皆無であった。ゆえに本例については今後も慎重な経過観察を要すると思われた。

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