演題詳細

ポスター / Poster

ポスター 30 (Poster 30) :リンパ腫:AITL・皮膚リンパ腫

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日程
2013年10月11日(金)
時間
16:50 - 17:50
会場
ポスター会場 / Poster (ロイトン札幌 3F ロイトンホールABCD)
座長・司会
内田 俊樹 (Toshiki Uchida):1
1:名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科
 
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TCR遺伝子再構成解析により診断された小児皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫の2例

演題番号 : PS-1-226

永井 功造 (Kozo Nagai):1,3、中野 直子 (Naoko Nakano):2、岩井 艶子 (Tsuyako Iwai):1、岩井 朝幸 (Asayuki Iwai):1、西 眞範 (Masanori Nishi):1、田内 久道 (Hisamichi Tauchi):2、石井 榮一 (Eiichi Ishii):2

1:四国こども医療センター 血液腫瘍内科、2:愛媛大学大学院医学系研究科 小児医学、3:佐賀大学医学部 小児科

 

【諸言】皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫(SPTL)は非ホジキンリンパ腫の中で稀なリンパ腫であり、自己免疫に伴う脂肪織炎と病理所見が類似しており鑑別が困難であることが多い。今回、再度病理組織の検討を行い、TCR遺伝子再構成を検出することで診断した小児SPTLの2例を報告する。【症例】(症例1)10歳、女児。発熱と左鼠径の紫斑、肝脾腫で発症し、血球貪食症候群を認めた。4ヵ月間ステロイド投与を行ったが熱と血球減少が持続し、耳下部の皮下腫瘤が出現した。生検組織は慢性脂肪織炎の所見で深在性ループスとして、プレドニゾロン(PSL),レクチゾール、シクロスポリン(CyA)、ミゾリビン(MZR)による治療を3年間行い、PSLの減量中に発熱と血球減少、四肢の皮下結節が出現した。再度病変部の生検を行い、脂肪組織内にCD3,CD8,TIA-1陽性のT細胞の浸潤を認め、PCR法にてDβ/Jβ領域に遺伝子再構成を認めSPTLと診断した。mPSLpulse2コース及びPSL(0.6mg/kg)+CyA(trough60~100ng/ml)+MTZ(100mg)にて皮下結節が消失し、CyA+PSL(5mg)にて寛解を維持している。(症例2)11歳、男児。左陰嚢内に腫瘤を認め摘出術を受け、組織診断は脂肪織炎の所見で経過観察された。その後下腿に結節性紅斑を伴い発熱が持続し、抗生剤に反応しなかった。病変部の生検を行い、組織所見は脂肪細胞の周囲に中型~大型の異型リンパ球が存在し、これらの細胞はCD3,CD8,TIA-1,TCRβF1が陽性であった。TCRCβ1のサザンブロッティングでは遺伝子再構成を認めSPTLと診断した。CyA(trough60~100ng/ml)+PSL(2mg/kg漸減中止)にて速やかに腫瘍が消失し、15ヵ月経過するが再発は認めていない。【考察】繰り返す発熱と皮下結節を認める場合には、SPTLを考慮し綿密な病理組織検査とTCR遺伝子再構成を行う必要がある。SPTLの中には免疫抑制剤での長期寛解例も報告があり、血球貪食症候群などの合併症の無い症例においては、免疫抑制療法が第一選択として取りえる。

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