演題詳細

一般口演 / Oral Session

一般口演 91 (Oral Session 91) :AML:細胞の特性 2

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日程
2013年10月13日(日)
時間
16:00 - 17:00
会場
第3会場 / Room No.3 (さっぽろ芸文館 3F 蓬莱)
座長・司会
矢野 道広 (Michihiro Yano):1
1:秋田大学医学部 小児科
 
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チロシンキナーゼ型受容体C-KIT変異による標的遺伝子制御機構の解析

演題番号 : OS-3-102

川本 晋一郎 (Shinichiro Kawamoto):1、桝谷 亮太 (Ryota Masutani):2、田窪 孝行 (Takayuki Takubo):1

1:大坂医科大学 臨床検査医学教室、2:大坂医科大学中央検査科

 

 【目的】 染色体転座t(8:21)を有する急性骨髄性白血(AML) M2は化学療法により治癒が期待できる予後良好群に分類される疾患であるが、中には化学療法抵抗性を示すものが含まれる。チロシンキナーゼ型受容体c-kit D816V変異(D816V)はsystemic mastcytosisにおいて発見され、AML M2において予後不良因子のひとつとされている。D816Vはstem cell factor非依存性に恒常的に活性化し自律的な増殖能を付与することが明らかとなっているが、治療抵抗性の原因については不明な点が残される。今回われわれはマウスモデルc-kitV814変異(V814)を用いて、治療抵抗性獲得の原因について解析を行った。【方法】IL-3依存性細胞株Ba/F3にV814を導入したV814細胞を用いて標的遺伝子の発現の変化を解析した。【結果】V814が血球系細胞に重要な遺伝子GATA1の発現をmRNAおよびタンパクレベルで抑制していることをリアルタイムPCRおよびウエスタンブロットにより確認した。さらに、GATA1の抑制は阻害剤αにより特異的に回復した。Ba/F3とV814細胞、V814細胞と阻害剤αにて処理したV814細胞におけるmicro RNAの発現の変化をarrayにてそれぞれ比較したところ、V814細胞にて発現量が2倍以上増加し、かつ阻害剤αにて1/2以下に抑制されるmicro RNAが検出された。このmicro RNAの1つはコンピューター解析による予測では、GATA1の発現を制御する重要な転写因子Xを標的としていた。【考察】 GATA1機能不全は白血病化の原因と考えられている。また、近年の研究で遺伝子発現の重要な因子としてmicro RNAの重要性が明らかとなってきており、悪性疾患においても関与するとされている。今回の結果から、C-kit変異V814はmicro RNAを介してGATA1の発現を抑制し、治療抵抗性の原因となっている可能性があると考えられた。

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