演題

肝癌局所療法における3D治療誘導システムの導入

[演者] 村上 耕一郎:1
[著者] 仲 成幸:1, 徳田 淳一:3, 山田 篤史:2, 赤堀 浩也:1, 三宅 亨:1, 園田 寛道:1, 清水 智治:1, 谷 徹:2, 谷 眞至:1
1:畷生会脳神経外科病院 外科, 2:滋賀医科大学医学部 バイオメディカルイノベーションセンター, 3:ハーバード大学 ブリガムアンドウィメンズ病院 放射線科

【はじめに】肝腫瘍の一部に対しラジオ波,マイクロ波,レーザー,クライオなどによるアブレーションが低浸襲治療として適応となる.しかし肝臓は右横隔膜下で肋骨弓に囲まれており,腫瘍の局在部位によっては穿刺が困難となる.また肝内の脈管構造物,肺や腸管などの隣接臓器の損傷を避ける必要がある.このため,術前画像を用い適切な穿刺経路をシミュレーションすることにより治療の精度および安全性の向上を図ることができると考えた.【方法】オープンソース医用画像解析ソフトウェア3D Slicer上で動作する,経皮アプローチの難易度評価プログラムを作成した.術前のCT画像を用いて穿刺経路にある構造物(肺,肋骨,腸管,血管等を立体化し,肝内に指定した標的に到達し得る穿刺部を体表モデル上に表示し面積をAS(Accessibility Score),経路の長さをPathとして定量化した.当院でマイクロ波凝固治療を経皮的に行った径3cm以下の臨床症例(n=9)についてPearsonの相関係数を用いて後ろ向きに評価したところ,ASと手術時間は中等度の相関(相関係数0.44964)を認めた.さらに本ソフトを肝癌局所療法の術前に使用しASと穿刺距離Pathを算出し穿刺経路を判断した.また本ソフトの導入前後で手術時間と術後在院日数を比較し有効性を評価した.【結果】対象5例(男:女=3:2, 平均65.0歳)について,腫瘍径は平均18.6mm,手術時間は平均120.2分であった.平均ASは2972.42mm2,平均Pathは55.24mmとなった.各症例について,障害物の中から右肺を取り除いたものを作成し再計算したところ,平均ASは7831.66mm2,平均Pathは45.44mmとなった.うち3例において肺の有無に関わらずPathは近似値をとったが,2例では著しくPathが短縮した(90.6→61.8mm, 55.7→41.2mm)ため,胸腔アプローチを用いた.この2例を除く経皮アプローチ3例と本法の導入前の症例を比較すると術後在院日数はともに平均4.8日と差を認めなかったが,手術時間は(pre : post = 99.78 : 89.67, 単位:分)と短縮傾向を認めた.【まとめ】経皮的アブレーションの穿刺ガイドソフトを作成して実際の臨床症例で使用し,手術時間の短縮傾向を認めた.
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