演題詳細

一般演題

一般演題140 : 緩和

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日程
2012年7月19日(木)
時間
15:00 - 16:00
会場
第26会場(富山県民会館1F 美術館)
司会
岡林 雄大 (高知大学医学部外科学講座外科1)

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エイコサペンタエン酸投与により栄養状態と腫瘍マーカーが改善した2症例

演題番号 : O-140-9

牟田 優:1 窪田 寿子:1 松本 英男:1 中島 洋:1 岡 保夫:1 奥村 英雄:1 浦上 淳:1 山下 和城:1 中村 雅史:1 平井 敏弘:1 

1:川崎医科大学消化器外科 

 

【はじめに】炎症性サイトカインは癌細胞の増殖に関連し,食欲低下や全身の代謝機能にも影響を及ぼし,体重減少やQOLの低下に関連するとされている.n-3脂肪酸は,この炎症性サイトカインの産生を抑制する効果があると報告され,n-3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)を多く含む栄養補助食品(プロシュア®)は癌患者の栄養療法として注目されている.プロシュア®の投与により,QOLが改善するとともに,腫瘍マーカーも減少した2症例を経験したので報告する.【症例1】79歳男性.2009年7月に食道胃接合部癌T4N0M0StageIIIに対して拡大残胃全摘術施行した.補助化学療法を施行していたが,2010年4月からCEAが上昇を始め,同年7月には食欲不振が持続したため入院となった.入院後,プロシュア®の投与を開始したところ,CA19-9は43 U/mlから11.4 U/mlへ,CA125は54U/mlから37 U/mlへ,CEAは91.4 ng/mlから40.2 ng/mlまで腫瘍マーカーの改善を認め,CRPは改善傾向であり全身状態の改善も認められた.【症例2】69歳男性.2010年10月に食道癌右開胸亜全摘術を行い,T3N1M0StageIIIであった.術後補助化学放射線療法を行い経過観察していたが,8ヶ月後頸部リンパ節再発を来たし,化学療法を開始した.PDであったため治療を中断し,免疫療法(がんワクチン療法)を開始した.疼痛が増悪し栄養状態も悪化したため,入院し,プロシュア®の注入を開始したところ,SCCの値が5.2ng/mlから3.4ng/ml,抗p53抗体の血清値が39.1U/mlから20.4 U/mlへと腫瘍マーカーの改善を認め,CRPは改善傾向であり全身状態の改善も認められた.【まとめ】経験した2例の癌患者はプロシュア®による栄養療法以外の治療はしていないにも関わらず,プロシュア®を投与開始時期から腫瘍マーカーの改善を認めた.以上より癌患者へのEPAリッチな栄養剤の投与はQOLの改善のみならずに,抗腫瘍効果も期待できる可能性が示唆された.

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