演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

Mgの臨床的意義から考える透析液Mg濃度

演題番号 : WS-25-7

大矢 昌樹:1、園生 智広:1、重松 隆:1

1:和歌山県立医科大学腎臓内科学

 

慢性腎臓病(CKD)では,骨やミネラル代謝異常を伴い,CKD に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)という概念が提唱され,その発症にはカルシウム(Ca),リン(P),副甲状腺ホルモン(PTH)やビタミンD の異常が関与している.一方,マグネシウム(Mg)は生体内の重要なミネラルの1 つで,300 以上におよぶ多くの酵素の補因子として働いており,エネルギー代謝やDNA 合成,タンパク合成に関係し,骨においては,2 番目に多い陽イオンであり,Ca チャネルのantagonist としての働きを有するなど,CKD-MBD との関連性が強く示唆され,近年その重要性が報告されつつある.
CKD 関連では,尿毒症患者の血清intact PTH は血清Mg と有意な負の相関が認められている.また,血管石灰化抑制効果についての報告や,心血管予後,生命予後との関連も報告されている.我々の検討でもMg は,Mg トランスポーター(TRPM7) およびリン酸トランスポーター(Pit-1)を介して血管石灰化抑制に働くことを報告している.透析患者の血清Mg 濃度は,一般的に正常から軽度高値を呈するものとされているが,透析液の濃度に依存することが知られている.しかしながら,透析患者の中でも低Mg 血症の患者も少なからず存在するが,我が国において,血液透析で使用されている主な透析液のMg 濃度は,血液透析液で1.0mEq/L,腹膜透析液で0.5mEq/L に統一されており,Mg 濃度の差異はない状況にある.
本ワークショップではCKD-MBD に対するMg 介入の一つとして,透析液濃度の可能性について,基礎,臨床的考察を交えて報告する.

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