演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

個別透析システムを用いた透析液濃度調整による透析

演題番号 : WS-25-4

正井 基之:1、内野 順司:1、山本 淳:1、吉田 豊彦:1

1:みはま病院

 

本邦では多人数透析システム(CDDS)により単一組成の透析液を多人数に供給している施設がほとんどである.CDDS で多数の患者さんの治療を行っているとナトリウムや重炭酸の濃度調整が必要になってくる例がある.一部の施設では個人用透析装置を用いて濃度調整した透析液を用いていて治療しているが,ナトリウムの濃度調整は可能であるが,重炭酸の調整は難しいのが現状である.我々の施設では透析原液集中配管によりナトリウムおよび重炭酸濃度の微調整が可能なシステムを構築し個別透析システムと名付けた.一部の患者にこのシステムを用いた透析を臨床応用し,個別透析を行っているので報告する.システムの構成は水処理装置,A・ B 原液溶解装置よりシングルパス方式による送液を行う透析原液個別配管システムとした.個人用透析装置内にて透析原液の混合比率を微調整することにより異なった濃度の透析液を作製し使用している.米国では異なった透析原液が配管され個人用透析装置にて透析液の調整が行われている場合もあるが,本邦では透析液は薬品のため混合して使用することが問題となる.そのため単一の透析液を使用し濃度の微調整により使用する方法とし,透析剤にはカーボスターP を用いた.使用する透析液はNa 濃度により3 パターン,重炭酸イオン濃度により3 パターンを組み合わせた9 パターンの透析液を調整し使用している.
導入時,オーバーナイト透析時,透析困難症例,CDDS でアルカレミア傾向,CDDS でアシデミア傾向,CDDS で高ナトリウム血症になる例,CO2 ナルコーシスが起こった透析患者などに個別透析を行い,有用なことを確認している.
現在の個別透析システムの問題点として頻回の透析液の測定が必要な点,透析人数が少ない時には,無駄になる透析液が多い点があげられる.コスト面から考えればCDDS よる透析で十分な患者がほとんどのため,CDDS メインで一部個別透析が行えるようなシステム構築ができれば望ましい.また本邦で個別透析に利用可能な透析液が限られており,より幅広い病態に対応できるような新たな透析液の開発が望まれる.

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