演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

透析液と酸化ストレスとの関連~その誘因と対策~

演題番号 : WS-25-3

寺脇 博之:1

1:帝京大学ちば総合医療センター腎臓内科

 

慢性腎不全(CKD)は酸化ストレスと密接に,様々な形で関連している.具体的には,腎病変の進展に酸化ストレスが寄与し,腎機能低下の結果として酸化ストレスが亢進し,CKD における心血管系イベントの発症に酸化ストレスが寄与する.血液透析(HD)は末期に至るCKD における救命そして社会復帰の根幹をなす治療法であるが,HD が尿毒症に伴う酸化ストレスを軽減する側面を有する一方で,逆に誘発する側面も有しており,いずれにしても長期予後への影響が憂慮される.
HD に伴う酸化ストレスの亢進は,大きく以下の3 点に起因する:(1)ダイアライザと血液との接触,(2)抗酸化物質の除去,(3)透析液.これらのうち,(3)透析液に起因する酸化ストレスの亢進については,透析液に原水を介して混入するさまざまな不純物,特にエンドトキシンが慢性炎症を惹起する事は広く認識されているが,透析液の“構成成分” 側に起因する酸化ストレスについては,盲点になっているのではないかと思われる.我々は,極めて強い科学的反応性を有し過酸化水素との共存在下において臓器の酸化的傷害を誘発するジカルボニル物質が,市販透析液の構成成分であるブドウ糖の分解産物として,特にリキッドタイプの透析液に多く含まれている状況を確認している.一方で透析液の改質により,(1)ダイアライザと血液との接触,(2)抗酸化物質の除去,に伴う酸化ストレスの低減も期待しうる.例えばまた電解水(水素水)の透析液としての使用は,末期CKD 患者の予後不良因子である酸化型アルブミンを有意に低減せしめると報告されている.
本ワークショップでは,透析液と酸化ストレスに関するこれまでの知見を整理し,今後の対策について新規アプローチを含めて提案したい.

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