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開催回
第62回・2017年・横浜
 

VAの脱血特性とCL-GapからVA機能不全を再考する

演題番号 : WS-18-1

小野 淳一:1

1:川崎医療福祉大学医療技術学部臨床工学科

 

【背景】 VA 機能不全における超音波検査は,形態学的ならびに血行動態的異常を同時に評価することができその意義は高い.その一方,専用装置や熟練したスタッフを必要とするため,多くの患者を対象としたスクリーニング検査として適応することには限界がある.これに対して,透析量の質的管理法であるクリアランスギャップ(CL-Gap)は,透析前後の BUN 濃度から計算できるため,スクリーニング検査として期待されている.しかし, VAIVT 前後で CL-Gap が変化する群と変化しない群があり,その機序は明らかにされていない.我々は,この原因として VA 機能低下の重症度を考慮する必要があると考えた.
【目的】VAIVT 前における VA 機能低下の重症度を評価し,VAIVT前後におけるCL-Gap の推移を検討した.
【方法】自己内シャントの狭窄にてVAIVT 前後で実血流量ならびにCL-Gap を評価した52 例を対象とした.指示血流量ならびに設定血流量300ml/min の条件下にて,穿刺針の脱血特性推定値に対して実血流量が10% 以上低下した症例をVA 機能低下と定義し, 正常群(QB指示:−, QB300:−),低下群(QB 指示:−, QB300:+), 不全群(QB 指示:+, QB300:+)の3 群に分類し,CL-Gap の推移を比較した.
【結果】正常群ではVAIVT 前のCL-Gap は常に低値を示したのに対して, 低下群, 不全群とVA 機能の低下に伴い,VAIVT 前のCL-Gap 値は高値を示した.また,VA 機能低下群ならびにVA 機能不全群では,VAIVT 後に CL-Gap 値の低下を認めた.また, VAIVT前後における指示血流量下における実血流量の変化量と CL-Gap の変化量には,優位な負の相関関係が認められた.
【結語】VA 機能低下の進行に伴いVAIVT 前のCL-Gap は高値を示し,かつ,VA 機能低下,機能不全群では, VAIVT 後に実血流量の改善とCL-Gap の低下が確認された.この結果より,VAIVT に伴う実血流量の改善効果をCL-Gap にて評価することが可能であることが示唆された.

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