演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

当科における人工血管移植とその管理

演題番号 : WS-15-5

甲斐 耕太郎:1、廣谷 紗千子:1、中島 一朗:1、渕之上 昌平:1

1:東京女子医科大学腎臓外科

 

透析患者の高齢化や血管荒廃症例の増加により,透析のVA としてAVG が選択される症例が増加している.AVG における最大の問題点は自己血管内シャントと比し低い開存率と高い感染率であろう.近年,heparin-bonding や早期穿刺可能なePTFE graft など特徴的な機能を付与されたAVG が使用可能となったものの,新たなAVG がこれらの問題を解決できるかは未だ不明である.当科では近年,AVG として入院カテ透析を回避する目的で,積極的に早期穿刺可能な全密補強THORATEC とGORE-ACUSEAL を移植しており,その成績も報告してきた.現状,これらの人工血管は早期穿刺できるという利点はあるものの,従来のGORE-PROPATEN やGORE-INTERING と比較し,二次開存率は同等であるものの,一次開存率が劣り(GORE-ACUSEAL n=53, 全密補強THORATEC n=69 vs. GORE-PROPATEN n=46,GORE-INTERING n=157:p < 0.05),感染率も高い(GORE-ACUSEAL vs. GORE-PROPATEN, GORE-INTERING : p=0.0256,全密補強THORATEC vs. GORE-PROPATEN, GORE-INTERING : p=0.0456)ことが判明している.開存率に関しては人工血管壁の厚さや硬さなど,その構造が原因である可能性が高いと考えられ,吻合法やデザインの修正に取り組んでいる.感染率に関しては,早期穿刺の宿命とも考えられるが,抗生剤の使用法や穿刺法,穿刺開始時期の調整などを検討中である.今回,2011 年1 月から2016 年9 月までに当科で移植した人工血管症例325 症例を解析し,人工血管の種類別開存率,感染率を明らかにし,さらにそれらをより向上させるための手術手技や管理上の工夫について考える.

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