演題情報

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開催回
第62回・2017年・横浜
 

バイオチューブのバスキュラーアクセス血管としての有用性

演題番号 : WS-15-4

中山 泰秀:1、古越 真耶:1

1:国立循環器病研究センター研究所医工学材料研究室

 

【目的】我々は新発想の再生医療技術として,細胞培養をすることなく自己組織のみで移植用の組織体を作製できる「生体内組織形成術」を開発した.バイオチューブとは本技術を用いて形成される管状の自己結合組織体の総称である.単に鋳型を皮下に1,2 ヶ月間埋め込むだけの単純作業によって,口径や壁厚を自由に調整することが可能であり,大動脈から末梢血管,静脈まで様々な用途での応用が研究レベルで可能となっている.本研究では,バイオチューブのバスキュラーアクセス血管への応用をめざして,曲がり形状の記憶化や,20cm を超える長いバイオチューブを開発し,ビーグル犬モデルにおける生体内機能評価を行った.
【方法と結果】形状記憶バイオチューブ:バイオチューブは鋳型となるシリコーン心棒の周囲に形成される.従来から使用している鋳型は直線状であり,出来上がるバイオチューブは当然直線状となる.使用前にはアルコール中で保存が可能であり,移植前に生食に戻していた.ここでアルコール保存時に形状を曲線状などに変形させておくと,生食に戻した後も形状が維持されることが分かった.作製直後や直線状で保存したバイオチューブを小さく曲げるとキンクするが,指示棒を入れてその形状で保存すると,形状に対応できた.予め決まった目的形状の鋳型を揃える必要がなく,後処理で移植部に合わせた形状の設計が可能となった.
ロングバイオチューブ:どんなに長いバイオチューブも長い鋳型を用いれば,原理的に作製可能であるが,現実的に小さな個体に埋め込むことは難しい.そこで,渦巻き状に曲がった鋳型を設計した.これまでと同様に動物の皮下に埋め込むと,1,2 ヶ月で渦巻き状のバイオチューブが形成され,25cm の長さを6cm 程度の小型の鋳型から作製できた.得られたバイオチューブは上記の処理をすることで,直線状にもループ状にも変形が可能であった.
これらの屈曲や長いバイオチューブをビーグル犬の頸部や大腿部にAV シャントや動脈表在化血管として移植を行っている.当日は,超音波診断や血管造影撮影によって生体内機能の経過観察,ならびに摘出組織の病理学的評価の結果を合わせて報告する.

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