演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

Fistula Maturation in the United States

演題番号 : WS-15-3

小口 健一:1、Kenneth J. Woodside:2

1:望星病院、2:University of Michigan, Transplantation Surgery, USA

 

ASN Kidney Week 2016 は11 月にシカゴで開催された.例年ならばvascular access に関するセッションは地味に固まっていた印象だったが,今回はすっかりありさまが変わっていた.広いポスター会場には延々とAVF にまつわる演題が連なり,しかもその多くがメインランドからの発信であったことにもまた驚かされた.彼らの話題は申し合わせたかのようにfistula maturation に集約され,大規模なデータ解析の中にそのキーを見出そうとする努力がよく見てとれた.日米の間には「maturation」の認識に大きな相違がある.JSDT VA ガイドライン2011では第3 章(2)「発育不良」についての記述でこれに言及はしているものの,そもそもmaturation の定義が示されていない.彼らはたとえ手術再建を行っても最終的に使用に至ればそのケースは(介入付)成功と判断する.手段を選ばずに実用化を急ぐ背景には,AVF の使用開始時期が作製後2-4 か月37.6%,さらに4-6 か月23.1%と慢性的に遅延する現実が垣間見えている.もちろんこれは維持透析患者の実態であって,つまりそのほとんどのケースがこの間代用アクセスとしてカテーテル留置を余儀なくされている.United States Renal Data System (USRDS) 2015 のデータベースに集積されたprevalent patients 24416 例のAVF maturation について今回供覧の許可をいただいた.AVF 使用の可否はCROWNWeb に照合の上判定がなされる.全体の70.7%はmaturation に成功し,一方で25.5%が不成功に終わっていた.成功した17270 例のうち7611 例(44%)は何らかの治療介入を受け成功に導かれたが,一方不成功6223 例中の3271 例(53%)は結果的に治療介入が奏功していなかった.治療の内訳(procedual burden)にはTrombectomy/Angioplasty/Stent/Revision などが含まれ,単独あるいは組み合わせで,症例によっては繰り返して行われた.患者あたりの治療回数は0.54 vs 1.28pp と不成功群で倍以上の頻度が示された.Angioplasty ならびにRevision はロジスティック回帰分析の結果maturation に寄与したことがうかがえた.

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