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第62回・2017年・横浜
 

AVF作製におけるこだわり~手術成績から考えること~

演題番号 : WS-15-2

大川 博永:1、藤田 淳也:1、八幡 純子:1、山本 裕也:1

1:大川バスキュラーアクセス・腎クリニック

 

【はじめに】自己血管内シャント(AVF)作製後狭窄の好発部位に傍吻合部静脈があげられることは周知の事実である.原因としてシャント作製により乱流が生じ,シェアストレスがかかることによって内膜肥厚狭窄が生じてくると考えられている.しかし,シャントエコーをおこなっていると,傍吻合部狭窄のないシャントでも全例吻合部に乱流を認めるが,内膜肥厚を伴わない症例も散見する.また,エコーの普及で傍吻合部狭窄の一因に血管収縮型(negative remodeling: NR型)狭窄が明らかになってきているが,原因の究明には至っていない.日常診療において施設間で狭窄発現部位に偏りがあり,NR 狭窄の原因は手術にあるのではと考えるに至り,NR を回避する目的で当院ではAVF 吻合後の静脈表面膜の剥離が重要と考えている.AVF手術成績および今後の課題について報告する.
【手術成績】2014 年4 月から2016 年7 月の2 年4 か月間で行った新規AVF157 例中初期不成功例と死亡(期間内に治療介入したものは開存成績に含む)を除した127 例の1 次開存77.2%, 2 次開存 93.2%であった.治療介入した29 例のうち傍吻合部病変が17 例(58.6%:全体の13.4%)あり,エコー上NR 狭窄を認めたものが6 例(20.7%:全体の4.7%)あった.
【考察】新規AVF の2 年4 か月時点の1 次開存は77.2% と比較的良好であったが,治療介入した20.7% がNR 狭窄であった.NR 狭窄の治療介入までの時期も15, 37, 65, 81, 119, 370 日と比較的術後早期に治療介入していることが多く,手術が不十分であった可能性が否定できない.問題点としては静脈表面の膜が非常に薄く,NR 狭窄の原因となる膜の特定が難しく,当院の手術においても全てが満足いく結果で終了できていないのが現状である.このことが解決できずに安易にAVF 作製や再建をすべきではないと考えており,我々アクセス作製医が追及していかなければならない大きな課題である.

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