演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

イントロダクション~先人達の軌跡をたどり,未来へのヒントを探る~

演題番号 : WS-15-1

中川 芳彦:1

1:新都市医療研究会「関越」会南町クリニック内科

 

【過去】VA の歴史を振り返るに,その黎明期から今日までにいくつかのbreak through といえる発明がなされた.外シャント(1960 年)は繰り返しの透析を可能にし,内シャント(1966 年)は,長期に使用可能な理想的VA となり現在も王座に君臨している.人工血管の開発では,長期開存しそうな人工物がなかなか得られず,1970 年台に自家静脈や生体グラフト(臍帯静脈,ボバイン,スワイン,ヒト動脈)が試みられたが,受け入れられなかった.その中でSparks’ Mandrilグラフト(1980 年)はユニークな発想による自家組織グラフトで期待されたが,結局普及にいたらなかった.ePTFE グラフト(1976 年)が市販となってからは,ほどほどに満足できるAVG 用グラフトが各種入手可能となり現在に至っている.
【未来】今では入手困難な外シャント装置であるが,パーマネントカテーテルも挿入不可となった終末期患者に対しての用途はありそうである.また特殊な外シャントであるThomas shunt(カフ付カニューレの先端を動静脈に吻合し皮下トンネルを通して対外で接合したもの)も寝たきり患者への需要がありそうに思える.在宅血液透析患者の増加に呼応してコンセント型外シャント(かつてのヘマサイト)の復活も考慮してよかろう.Mandril グラフトも,メッシュ成分の改良などでリバイバルを期待したい.以上,列挙した装置や手技は数十年前に消滅したものであるが,高分子化学や精密機械工業の進歩とともに素材や形状に改良を加えることで将来復活できる可能性を秘めている.各医療メーカーには,ぜひとも新製品開発にチャレンジしていただきたい.

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